「希望の土台を替えてみる」

 最近生きることに辛いと感じる人が増えていると言います。日本では3年連続で3万人以上の人が自殺しているということがその表れと言えるでしょう。こんな状況の対策として、中央労働災害防止協会は「職場における自殺の予防と対応」という本を作ったようです。「自殺のマニュアル」と言う情報がインターネットで流れている次第、必要な対抗策といえましょう。

他方では、「自殺をしないためのマニュアル」のような本も出版されています。一粒社から出ている「命のメッセージから再起した15人の証言」と言う本もその一つです。4回も自殺未遂をして、そこからどのようにして再起したかをと言う、ドラマにまさる体験談もあります。

自殺に追い込まれていた原因ごとに分類され、それをいかに乗り越えたかが赤裸々に記されています。例えば、「経済苦・生活苦の嵐を経て」、「怨恨を乗り越えさせた愛のエネルギー」、「競争社会の枷から解かれて」、「虚しさという壁の向こうに」と言うふうです。

 この本の冒頭に、「自殺の共通要因は、何らかの理由で『生きる希望の土台を失ったことによる』」とあります。ちなみにその土台とは、心身の健康、夫婦・親子の絆、学歴、事業、財産、終身雇用制、経済の安定と発展というものだといいます。確かに土台としてきたものが崩れてしまうと、生きる希望、生きる力そのものも揺らいでしまい、時には失われてしまうでしょう。

 では、どう対処したらいいのでしょう。大切なことは、生きる土台、希望の土台を、不安定なもの、揺らいでしまったり、失われたりするものから、揺るがない、変わらない、決してなくならないものに替えていく必要があるということです。
そんなものがあるのでしょうか。聖書は「ある」といっています。

 「人は皆、草のようで、その華やかさはすべて、草の花のようだ。草は枯れ、花は散る。しかし、主の言葉は永遠に変わることがない」(ペテロⅠ、1:24,25)。

 聖書の言葉、神の言葉は不変、永遠だからです。
 この神の言葉への信仰、神の言葉への信頼、希望の土台を据えることができるように、キリストが「われは道であり、真理であり、命である」(ヨハネ14:6)としての世にこられたのです。(「やさしさにつつまれて」安海靖郎著より)



ページのトップへ

2007年の礼拝メッセージ一覧へ

他の年の礼拝メッセージへ

トップページへ

2007年3月18日の礼拝メッセージ