５月１７日

礼拝メッセージ

「創造する喜びの力」　ヨハネによる福音書１５章１－１１節

　
　人間にとって生きる力は“喜び”であるといえる。「喜び」は「報い」でもある。収穫の喜び、出産の喜び、造る喜び、仕事の喜び、研究する喜び、音楽を聴く、造る、演奏する喜び、人の生活のあるところに様々な「喜び」がある。有形、無形の喜びがある。また、「愛する」ことと「喜び」は共通している。喜びは満足と平安を内容とする。愛することの達成が満足となり「喜び」となる。しかし不思議なことに真実に愛することは自分を犠牲にすることである。

「友のために自分の命を捨てること、これ以上の大きな愛はない。」（ヨハネ１５：１３）とイエスは言われている。“これ以上大きな”とは完成を意味している。愛は量でなく内容であり、質である。犠牲は痛や、苦しみが伴う。感動的な喜びは感極まる涙となる。

　ヨハネによる福音書１５章には有名な「ブドウの譬え」の話がある。神とキリストとの関係を表す命のつながりを指し、父なる神は農夫、ブドウの幹はキリスト、その枝はキリストを信じる一人ひとりのクリスチャンを意味している。そしてイエスは「これらのことを話したのは、わたしの喜びがあなたがたの内にあり、あなたがたの喜びが満たされるためである。」（ヨハネ１５：１１）と言われている。使徒パウロも「主において常に喜びなさい。重ねて言います。喜びなさい。」（フィリピ４：４）言っている。それはまさにイエスが語られた喜びである。

人は自分の欲望を満たすために「喜び」を求めるとすれば、しばしば破滅と混乱に迷い込むこととなることが多い。「あなたがたは、むさぼるが得られない。そこで人殺しをする。熱望するが手に入れることができない。そこで争い戦う。あなたがたは、求めないから得られないのだ。求めても与えられないのは、快楽のために使おうとして、悪い求め方をするからだ。」（ヤコブ４：２－３口語）欲望による喜びは、しばしば手段を選ばないことが多い。それを誘惑と言う。その先は争いと破滅となる。

イエスが約束される「主にある喜び」とは何か。

第一に、神に「愛されている喜び」であり、イエス・キリストにより罪赦され、キリストと共に生きる喜びである。

第二に、キリストにある「平安の喜び」である。「わたしは、平和をあなたがたに残し、わたしの平和を与える。わたしはこれを、世が与えるように与えるのではない。心を騒がせるな。おびえるな。」（ヨハネ１４：２７）パウロは「神がわたしたちの味方であるならば、だれがわたしたちに敵対できますか。」（ロマ８：３１）と主に愛されている確信を表現している。

第三に、信仰による「恵の実の収穫の喜び」である。イエス・キリストを信じる信仰は聖霊の豊かな実を結ぶ「喜び」である。「霊の結ぶ実は愛であり、喜び、平和、寛容、親切、善意、誠実、柔和、節制です。」（ガラテヤ５：２２、２３）第四に、「喜びの実」が残るという約束。神に愛されている体験の喜びは、その喜びを人に分かち合う喜びとなる。キリストの「恵を分かち合う喜び」であり、キリストの恵、即ち、福音を伝える喜びである。

この「喜びの実」を結ぶためには、キリストにつながることを教えている。キリストにつながることはキリストのみ言葉、その教えにつながることであり、そのキリストの言葉に生きる。キリストの示された真実の神の愛に生きるときにこそ豊かな喜び実を結ぶことになる。日々に新たに「キリストの言葉があなたがたの内に豊かに宿るようにしなさい。」（コロサイ３：１５）日々に御言葉を読み、瞑想し、祈り、心の深みまでもその思いが満ちあふれるようにすることこそが豊かな祝福を結ぶ出発点である。

今週のみ言葉　　コロサイ３章１６節

「キリストの言葉があなたがたの内に豊かに宿るようにしなさい。知恵を尽くして互いに教え、諭し合い、詩編と賛歌と霊的な歌により、感謝して心から神をほめたたえなさい。」

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