５月３１日

礼拝メッセージ

「キリストの教会の交わり」　　使徒言行録2章３６－47節

　
　現在の著しい社会現象は毎日100人の人が生きる希望を失って自殺をする現象であると言われている。この10年間では1年に3万人以上の人が自殺をしていると言う統計となっている。その原因はさまざまあると思われるが、豊かな社会と言われる中での悲劇である。

イエスは「疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう。わたしは柔和で謙遜な者だから、わたしの軛を負い、わたしに学びなさい。そうすれば、あなたがたは安らぎを得られる」（マタイ１１：２８，２９）と言われている。「安らぎ」すなわち「平安」を見出せるようになると約束されている。

また、「わたしは、平和をあなたがたに残し、わたしの平和を与える。わたしはこれを、世が与えるように与えるのではない。心を騒がせるな。おびえるな。」（ヨハネ１４：２７）この｢平和｣という聖書の言葉は「エイレーネー」で、それはまた“平安、安心、無事、安らか、穏やか、仲裁、和、和解する、安かれ”などの多様な意味を持っている。

　人間は本来、生きることに希望を持ち、生きることに喜びを感じ、生きがい、すなわち目的を求めて生きる。幸せに生きるように子供に教え、自ら幸せになろうと努力して学ぶ。道を開き、ものを造り、楽しみと喜びを味わう。その自然な営みの流れがとどまり、混乱し、破壊されるときに絶望する。そのような時に家族や友人、親身になってともに悩む、苦しみ、悲しみ、重荷を分かちあってくれる人がいることは再起の力になる。現実には家族や友人も限界がある。

しかし、徹底して最後まで共に悩み、重荷を負い、助け、生きる支えと勇気をくれる友がいればどんなにか幸いである。

キリストは「重荷を負っている人は私に来なさい」と言われている。そして「平安」、「解決」を与えると約束されている。更に、「友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない。わたしの命じることを行うならば、あなたがたはわたしの友である。」（ヨハネ１５：１３，１４）キリストは命さえも与え、「友」となってくださるというのである。「わたしの兄弟たち、いろいろな試練に出会うときは、この上ない喜びのとき」（ヤコブ１：２）「神の栄光にあずかる希望を誇りにし、そればかりでなく、苦難をも誇りとします。」（ロマ５：２、３）と言う事が出来る様に変えて下さると約束されている。

キリストとの「交わり」にこそ、真実の平和と解決、希望が約束されている。キリストの福音を「あなたがたに伝えるのは、あなたがたもわたしたちとの交わりを持つようになるためです。わたしたちの交わりは、御父と御子イエス・キリストとの交わりです。わたしたちがこれらのことを書くのは、わたしたちの喜びが満ちあふれるようになるためです。」（ヨハネⅠ１：３－４）　

この交わりこそキリストの教会を意味している。キリストとの交わりは活ける神との交わりであり、人を生かす命の源となる。「あなたがたがわたしにつながっており、わたしの言葉があなたがたの内にいつもあるならば、望むものを何でも願いなさい。そうすればかなえられる。」（ヨハネ１５：７）

このキリストの言葉こそ解決の希望の鍵となる。「あなたがたはキリストの体であり、また、一人一人はその部分です。」（コリントⅠ１２：２７）キリストを信じ、従い、キリストに生きるところに希望がある。

今日は、弟子たちに聖霊が注がれ、キリストの十字架と復活によって神が人類の破滅と虚無、「死」から「永遠の命」の道を示し、悟らされて弟子たちがキリストの神の家族であることを自覚した日である。キリストの教会が生まれた記念すべき聖霊降臨ペンテコステの日（五旬節）である。

希望の主、平和の主、命の主であるキリストを見上げて勝利の日々を送ろうではないか。「信仰の導き手であり、またその完成者であるイエスを仰ぎ見つつ、走ろうではないか。」（へブル１２：２口語）　

今週のみ言葉　　エフェソの信徒への手紙１章２３節

「教会はキリストの体であり、すべてにおいてすべてを満たしている方の満ちておられる場です。」

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