７月５日

礼拝メッセージ

「人はいのちの言葉で生きる」　　　ヨハネによる福音書１章１－５節

　人は言葉によって生きる。言葉は不思議なものである。言葉には意味がある。意味が通じるときに人はお互いの気持ちが解り、生活が生まれる。意味が通じないとき言葉は死んだものとなる。生活ができないことになり、死んだ言葉となる。しかし、言葉にも人を生かし、幸せにする言葉と人を不幸にする言葉がある。生きる希望の言葉と絶望の言葉である。それは、また、光の言葉と闇の言葉とも言える。闇は、悪魔的であり、破壊的、悲歎的、絶望的、悲劇的な意味と力を持っている。光は、希望、喜び、救い、友好、平安、解放、平和、建設的、協調的、共助的、団結を意味している。

　ヨハネ福音書１章１節には「初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。」と記している。「神は言」であって言葉で万物を創造されたという（創世記１：１）。そして「この言の内にいのち」がありその「いのちは人間を照らす光である」（４）と言われている。このメッセージは神の言葉は人間の存在、人を存在させる万物の根源であり、すべてのいのちの根源であることを教えている。

人を生かす光としていのちを生かし、希望と喜びをもたらし、その光は、人の生きる、生かす「光」として命を与えることを言っている。そして「光は暗闇の中で輝いている」（５）この闇は、人を取り巻き、人の心にいつも忍び込む暗闇、すなわち、支配する罪深い現実である。人間は神を忘れ、拒み、否定するとき、そこには自分が中心になり、絶えず欲情と欲望にまとわれている弱い自分がいることになる。神のない世界、神を忘れる世界には闇が覆うことになる。その闇こそは社会に潜む「闇」すなわち「罪」であり、すべてのものを虚(むな)しくし、儚(はかな)くしてしまうことになる。

主イエスは「人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる。」と言われている。この言葉、イエス・キリストこそ、命の光として、その罪と迷いの現実から解放し、解決するメッセージ、「命の言葉」である。この言葉が光源であり、「輝く光」として人に命を与えると言っている。ウエストミンスター信仰問答書の第一問に「人間のおもな、最高の目的は、何であるか。」と問うている。「人間のおもな、最高の目的は、神の栄光をあらわし、永遠に神を全く喜ぶことである。」と記している。

人の人生の一番大切な生き甲斐、目標は「神の栄光をあらわす」ことであるというのである。栄光とは簡単に言えば、「すばらしい」「唯一、無二」の存在であるということに尽きる。神に創造され、神に愛されている自分を自覚するときに、その神様の尊さ、偉大さ、すばらしさ、その叡智に感動する。神を信じることはこの「命と力、光りの言葉」に出会い、感動し、認識することである。そしてこのすばらしい命と光り、存在の根源者である方に出会うときに、その御心に生き、愛されている自分は、神の愛に生きるよう変えられる。神の御心に生きることを生活と人生の目標とすることになる。

信仰の生活には神への感謝と賛美が生まれる。そこには真実の神との交わりとしての祈りが生まれる。そこには礼拝の生活が人生の目的の実現として行われることになる。毎日、「いのちの言葉」を聞き、学び、光り輝く日々を歩むようになる。「聖書はすべて神の霊の導きの下に書かれ、人を教え、戒め、誤りを正し、義に導く訓練をするうえに有益です。こうして、神に仕える人は、どのような善い業をも行うことができるように、十分に整えられるのです。」（テモテⅡ３：１６、１７）

今週のみ言葉　　詩篇１１９編１０５節
「あなたの御言葉は、わたしの道の光、わたしの歩みを照らす灯火。」

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