９月２０日

礼拝メッセージ

「信仰と感謝による家族の絆」　　コリントⅠ、１３章１－１３節

　　　　人間の生涯は等しく、例外なしに「死」で終わる。先日もご町内の婦人が亡くなられた。葬送の式も終わり、最後の挨拶があった。「これが最後の別れです」という言葉に寂しさとご家族の悲しみが伝わってきた。人は様々な出会いの中で家族となり、家族としての絆が育て、助け、いたわり、はぐくみ、人として成長する。家族の絆は「愛」である。「愛」が失われて家族は共に生活できない。俗に言う「金の切れ目が縁の切れ目」といわれる。今日は経済的にも豊になり、社会保障も充実してきているといわれている。その反面、人の心は自分中心な快楽傾向となり、お金が人を結ぶ絆になりがちである。どんなときにも喜びや悲しみ、苦しみを共にできて初めて家族であり、友といえる。

　家族を結ぶ人としての絆は「信仰」である。「神は愛である」（ヨハネⅠ、４：８）と聖書は教えている。キリストを信じることはキリストが表された「神の愛」に生きることである。人は万物の霊長と言われるように神様に似せて造られた「霊的存在」である。霊なる神と交わることによって神様の霊、すなわちいのちに生かされる存在である。交わりは信頼による交流であり、赦されない罪深い人間を愛して受け入れてくださる愛と恵みによって成り立っている。神は人の争いや憎しみ、自己中心や欲情、欲望に迷わされる弱さ、穢れと罪によって、失われた霊的人間性を甦らせるためにキリストの十字架の出来事によって「神の愛」を示された。

キリストを信じ、神の愛に生きるところに神との和解と交わりが生まれ、神に生きる恵みが人を結ぶ絆となる。繰り返すようであるがキリストを信じることは「神の愛」に生きることであり、神様が共におられる生活となる。「神の愛」があるところに神様はおられるのである。「いまだかつて神を見た者はいません。わたしたちが互いに愛し合うならば、神はわたしたちの内にとどまってくださり、神の愛がわたしたちの内で全うされているのです。」（ヨハネⅠ、４：１２）

　聖書は、人生は死で終わるのでなく、「わたしを信じる者は、死んでも生きる。生きていてわたしを信じる者はだれも、決して死ぬことはない」（ヨハネ１４：２６）とキリストは言われた。人には現実の生にも多くの分からないことがある。ましてや死後の神の国について未経験である。聖書は「わたしたちは、今は、鏡におぼろに映ったものを見ている。

だがそのときには、顔と顔とを合わせて見ることになる。わたしは、今は一部しか知らなくとも、そのときには、はっきり知られているようにはっきり知ることになる。それゆえ、信仰と、希望と、愛、この三つは、いつまでも残る。その中で最も大いなるものは、愛である。」（コリントⅠ、１３：１２，１３）と記している。確かに今は分からないことも多く、一部分しか分からない。

鏡を見るように朧であると言う。古代社会では今のようなメッキの鮮明な鏡はなく、銅を磨いたもので顔を見た。それは朧で輪郭がようやく分かるようなものであると言える。「完全なものが来た時」（１３：１０）神が定められた未来、明確な形で神の国を体験すると約束している。だからこそ、キリストの言葉を信じて神の愛に生きるとき、神は共にいて神の国に生かしてくださる。

神と共に生きるものは神の国に永遠に生きるものとしてくださる。神の国を確信するところに神の国がある。「信仰とは、望んでいる事柄を確信し、見えない事実を確認することです」（ヘブル１１：１）。だからこそ使徒パウロは「それゆえ、信仰と、希望と、愛、この三つは、いつまでも残る。その中で最も大いなるものは、愛である」（コリント１３：１３）というのである。

キリストを信じる信仰は永遠の命、神の愛に生きる希望である。家族を結ぶ幸せの絆はキリストに表された永遠に変わらない神の愛に生きることである。その絆こそは家族の宝としなければならない。平安と平和を生み出すいのちであるからである。

今週のみ言葉　ヨハネ３章１６節

「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、
　永遠の命を得るためである。」

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