９月２７日

礼拝メッセージ

「一つとなる、力と平和の希望」　　フィリピの信徒への手紙２章１－１１節

　　キリストは弟子たちと最後の別れのとき「全ての人を一つにしてください。…あなたがくださった栄光を、わたしは彼らに与えました。わたしたちが一つであるように、彼らも一つになるためです。わたしが彼らの内におり、あなたがわたしの内におられるのは、彼らが完全に一つになるためです」（ヨハネ１７：２２，２３）と祈られました。

　日々の生活の中で起る様々な偏見や憎しみ、差別や卑下、虚栄や偽善などは不安と孤独、争いと分裂を生み出します。ヤコブの手紙の１章１４と１５節には「人はそれぞれ、自分自身の欲望に引かれ、唆されて、誘惑に陥るのです。そして、欲望ははらんで罪を生み、罪が熟して死を生みます」と言っています。一人ひとりが様々な欲望の誘惑に絶えず引き回されると言っているのです。そして、その欲望は虚栄や偽善を生み、争いが起こり、分裂と対立になります。それは限りなく罪深い生き方であるのです。その結果、「死」を生み出すと言うのです。死は悲劇、絶望、敗北、虚無、となります。

　使徒パウロは「実に、キリストはわたしたちの平和であります。二つのものを一つにし、御自分の肉において敵意という隔ての壁を取り壊し、…キリストは、双方を御自分において一人の新しい人に造り上げて平和を実現し、十字架を通して、両者を一つの体として神と和解させ、十字架によって敵意を滅ぼされました」（エフェソ２：１４－１６）と言っています。

神は、人の罪深い悲劇を解決するためにキリストを遣わされました。それは神が愛である証であり、罪に苦しむ人間を救うためであり、人が幸せに生きるためであるのです。ヨハネの手紙Ⅰ、４章には「神は、独り子を世にお遣わしになりました。その方によって、わたしたちが生きるようになるためです。ここに、神の愛がわたしたちの内に示されました。わたしたちが神を愛したのではなく、神がわたしたちを愛して、わたしたちの罪を償ういけにえとして、御子をお遣わしになりました。ここに愛があります。」（９，１０）と記しています。

キリストを信じることはキリストによって表された神の御心(みこころ)に生きることです。神が罪深い人間の罪をあがなうためにキリストを十字架に架けられ、犠牲を払うことによって神の愛が示されました。だから、キリストを信じることはキリストの教えを生きることになります。

その教えとは「神の愛」に生きることになります。キリストの愛は、人の心に巣食う自己中心によって生まれる敵意を解決する道であるのです。そして、キリストの愛に生きる人々は「一つになる」ことが出来ることになり、心の平安と人との平和が生まれるのです。それこそ神の国に生きることにほかなりません。「いまだかつて神を見た者はいません。わたしたちが互いに愛し合うならば、神はわたしたちの内にとどまってくださり、神の愛がわたしたちの内で全うされているのです」（ヨハネⅠ、４：１２）。

　キリストを信じるだけでなく、信じていることが生活に中で実を結ぶように努力していかなければなりません。それには「キリストの愛に根ざす」（エフェソ４：１５）ことです。「互いに重荷を担う」（ガラテヤ６：２）すなわちお互いの十字架を負う。赦し合い、助け合い、思いやるキリストの愛の実践によって、キリストの愛の交わりが成長し、拡大することになります。マルコの福音書２章には４人の人々が１人の中風を患っている人を担架に乗せてイエス様のところに連れてくる記事があります。

大勢の人で家に入れないので屋根をあけて吊り下げてイエス様に癒しを乞うたのです。イエス様は「彼らの熱心な信仰を見て」癒しを宣言されました。そこにはキリストを信じれば解決されると言う「信仰」と共に、４人は病める人を愛している姿を読み取られたと言えます。「信仰」は「愛」を生みます。信仰は一致を与え、「愛」は「信仰の実」として生活を生かす「力」となるのです。ハレルヤ。

今週のみ言葉　ガラテヤ人への手紙６章２節

「互いに重荷を担いなさい。そのようにしてこそ、キリストの律法を全うすることになるのです。」

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