１０月４日

礼拝メッセージ

「新生の喜び」　ロマの信徒への手紙５章２０－６章６節

　　　「人は、新たに生まれなければ、神の国を見ることはできない。」（ヨハネ３：３）とイエス様が言われた時、ニコデモという人は「年をとった者が、どうして生まれることができましょう。もう一度母親の胎内に入って生まれることができるでしょうか。」（４）と言ったといわれています。イエス様の言われた「新しく生まれる」と言うことが分からなかったようです。また「神の国を見ることはできない」というのは神の国は「理解できない」ことを意味しているのであって、「見る」とは正に体験することを言っています。「新生する」ことは「新しく生まれる」ことであって、赤ちゃんを新生児というように今までいなかった人が誕生することであるのです。確かに人間が、再度、生まれることとは意味が違います。「新生」は英語ではRegenerationtといって「改心」「再生」「復活」という意味で「再創造する」ことを意味しています。

　第一に、「改心」は罪を悔い改めることです。罪といえば法律を犯すことを言い、犯罪を意味します。しかし、罪とは言いませんが社会的な道徳は、法律にないことであっても人が守るべきことです。また無慈悲や、無情、悪意や差別、邪念などは人間性を失わせることになります。だから、聖書は言っています「正しい者はいない。一人もいない」（ロマ３：１０）。厳密な意味で誰一人として神様の前に立って「自分は完全な人間である」と言えるでしょうか。聖書の詩篇に「わたしは咎のうちに産み落とされ、母がわたしを身ごもったときも、わたしは罪のうちにあったのです」（詩５１：７）と記しています。これは神から離れた人間は罪の中に生きている悲劇的な存在であることを指摘しているのです。これを「原罪」と言います。そこでロマ書では「人は皆、罪を犯して神の栄光を受けられなくなっています」（３：２３）と言っています。「神の栄光」とは神にある「素晴さ」「神の喜び」すなわち人の幸せが失われていると言うのです。神の国、神を現実に見ることができなくなっているというのです。神様を信じないことが罪の根源であり、混乱と争い、悲劇と不幸の根源であるのです。

　第二に、新生は「復活」であるのです。その復活は「人は皆、罪を犯して神の栄光を受けられなくなっています」と言う言葉の次にこの言葉があります。「が、ただキリスト・イエスによる贖いの業を通して、神の恵みにより無償で義とされるのです」（３：２４）とあり、その意味はヨハネ福音書の３章３節に「神は、その独り子（キリスト）をお与えになったほどに、世を愛された。独り子（キリスト）を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである」と記されています。キリストを信じることは自分の罪の現実を自覚し、悔い改め、神がキリストを通して差し出されている十字架上の罪の購いの恵みを受け入れることによって神の愛を真実に体験し、罪赦される体験です。

　第三に、新生は「再生」です。キリストを信じることはキリストの言葉、教えに生きる人であるのです。神と共に生きることは「神の愛」に生きることです。キリストによって表された「神の愛」を生きる人であるのです。「だから、以前のような生き方をして情欲に迷わされ、滅びに向かっている古い人を脱ぎ捨て、心の底から新たにされて、神にかたどって造られた新しい人を身に着け、真理に基づいた正しく清い生活を送るようにしなければなりません。」（エペソ４：２２，２４）と勧めています。だから、キリストと結ばれる人はだれでも、新しく創造された者なのです。古いものは過ぎ去り、新しいものが生じた。」（コリントⅡ５：１７）

　そこで、キリストを信しることは、キリスト共に十字架につけられて自分に死に、キリストと共に死から新しい自分に生まれ変わることです。それが洗礼を受けてキリストにある新しい永遠の命、キリストにあって今に生きることになるのです。そこには、罪赦された喜びが湧き上がるのです。ハレルヤ。

今週のみ言葉　ロマ書６章４節

「わたしたちは洗礼によってキリストと共に葬られ、その死にあずかるものとなりました。
　それはキリストが御父の栄光によって死者の中から復活させられたように、
　わたしたちも新しい命に生きるためなのです。」

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