１１月１日

礼拝メッセージ

「キリストの約束と幸せな家庭」ヨハネ19章25－27節

　　ゆたかになった生活の中を暗くする犯罪ニュースは途切れなく報道されます。その犯罪の発生の特徴は全犯罪発生数の三分の一が家庭内で起こっている事件だと言われています。家庭内の悲劇も現代の抱える深刻な問題がそこにあります。小家族化、老々介護、引きこもりなどの言葉に表せない深刻な問題があるようです。そこでは我慢を超えた我慢と孤独、あるときには家族のせめぎ合いとなって悲劇を生むことになっているようです。人には家庭の幸せがなくてはなりません。神は平和と喜びを約束されているのです。確かに家族が共に生活する中で毎日の問題が起こります。

　「わたしの魂は沈黙して、ただ神に向かう。神にわたしの救いはある。神こそ、わたしの岩、わたしの救い、砦の塔。わたしは決して動揺しない。あなたは必ずわたしを助けてくださいます。あなたの翼の陰でわたしは喜び歌います。」（詩篇６２：２，３，８）神様はゆるぎない救いの岩であり、試練の襲う時の堅牢な「砦の塔」であると言っています。その岩であり守りの「砦の塔」とは「一生の間、あなたの行く手に立ちはだかる者はないであろう。わたしはモーセと共にいたように、あなたと共にいる。あなたを見放すことも、見捨てることもない。…ただ、強く、大いに雄々しくあって、わたしの僕モーセが命じた律法をすべて忠実に守り、右にも左にもそれてはならない。そうすれば、あなたはどこに行っても成功する。」（ヨシュア記１：５，７）という言葉に指し示されています。モーセを通して与えられた神の戒めである基本である「十戒」には家庭の幸せの土台として「あなたの父母を敬え」（出エジプト２０：１２）とあり、新約聖書では使徒パウロは「子供たち、主に結ばれている者として両親に従いなさい。それは正しいことです。『父と母を敬いなさい。』これは約束を伴う最初の掟です。『そうすれば、あなたは幸福になり、地上で長く生きることができる」という約束です』という約束です。」（エフエソ６：１－３）

　しかし、現実として「戒め」があったとしても守れなくては意味がないのです。人間は言われて規則を守ってルール通りにできない弱さと忍耐の限界があります。「そうしないといけない」と分りながら“守れない”“実行できない”情けなさ、弱さ、限界があるといえます。イエス様は「父、母、兄弟姉妹を、さらに自分の命であろうとも、これを憎まないなら（捨てなければ、口語訳）、私の弟子ではありえない。」（ルカ14：26）と言われています。“家族を”憎み““捨てる“とは「十戒」とは全く反対のことであり、どういうことでしょうか。イエス様は一方で「『私の母とはだれか。わたしの兄弟とはだれか』。そして、弟子たちの方を指さして言われた『見なさい、ここにわたしの母、わたしの兄弟がいる。だれでも、わたしの天の父の御心を行う人が、私の兄弟、姉妹、また母である。』」（マタイ１２：４８－５０）家族の関係の基本は信仰であるといわれています。家族としての血がつながっていても、戸籍上の関係があっても、家族愛が失われ、心がバラバラでは形だけのものになってしまうのです。キリストが十字架の上で示された神の愛とは互いに愛する者のために犠牲となって生きることであるのです。愛する者のために忍耐し、思いやり、いたわり、赦し合い、苦楽を共にして生きることです。神の愛のあるところに神がおいでになり、神の国があるのです。まず、一人ひとりが神に愛されている自分を自覚し、神様を信じて神の御心に生きることをイエス様は示されたと言えます。

　イエス様は十字架にかけられながら最後に母マリヤを気遣い、「母に、『婦人よ、ごらんなさい。あなたの子です。』と言われた。それから弟子たちに言われた『見なさい、あなたの母です。』その時から、この弟子はイエスの母を自分の家に引き取った。」（ヨハネ１９：２６，２７）愛する弟子ヨハネは主の母を引き取り世話をするのです。神を信じる者にとって「父母を敬い、気遣う」ことの大切さを示しておられます。「第一の掟は。これである。『イスラエルよ、聞け、わたしたちの神である主は、唯一の主でおられます。心をつくし、精神をつくし、思いをつくし、力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい』」（マルコ１２：２９，３０）神を愛することによって真実の家族の幸せの絆が築かれるのです。神を愛することによって親子、兄弟姉妹の真実の家族が営まれると約束しているのです。神の愛によって幸せな家庭を築かねばなりません。

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