7月25日 礼拝メッセージ

「神のなされることは皆その時にかなって美しい」箴言3章11節

「わたしの魂よ、主をたたえよ。主の御計らいを何ひとつ忘れてはならない。」詩103:2)
1955年7月23日(昭和30年)にこの地に会堂が建てられた。1953年(昭和28年)御影教会の岸部勘次朗師のビジョンの呼びかけで、宣教師R.ジョンストン師の協力によって阪神出屋敷駅の南の広場で米軍の野戦用テントを張って伝道集会が開かれた。当時は“立ちんぼ”と呼ばれる多くの労務者が職を求めて朝早くから集まる独特な町であった。続いて西難波町公園で天幕が続けられた。北側の一家族の救いによってそこを集会所として毎週金曜日に定例会が始まるようになった。日曜日は御影の教会に出席し金曜日の夜の集会に集まった。人が増えて、座敷の座が抜けてしまうということがあった。中沢四郎師を迎え、旧西難波郵便局(今の今中医院のとなり)の家を借り受けて教会として礼拝が始まる。やがて教会堂建設のビジョンが与えられ土地を探すことになった。当時、岸部師は賀川豊彦の薫陶によって友好関係にあった尼崎市長坂本勝氏を通して地元に適切な教会の土地を探してもらう依頼をした。市長からこの話を聞いて、助役(当時)、次期市長になる薄井一哉氏が地元の七松町の地主橋本さんを紹介して下さる。土地(167坪)を紹介されて、現在地にこの土地を購入する。当時は、開拓で財政も少なく土地代を賄うことは無理であった。しかし、主は哀れみを持って導かれハリエット夫人のお母さんの遺産が奉げられ購入可能となった。
会堂はジョンストン師の提唱で材料を買ってブロックを積み上げて作ることになり、救われて間もない兄弟姉妹が勤務を終えて奉仕した。また、在阪のGI(クリスチャンの米軍兵士)が協力し、ミキサーでコンクリートを練ってブロックを作り、3間と7間の牧師館併設の可愛い教会が建てられた。それが今も残っているジョンストンホールである。
イザヤ書のお言葉にある 「あなたたちが切り出されてきた元の岩、掘り出された岩穴に目を注げ。」(イザヤ51:1)神様が一人一人を愛し、選び、救いに導かれその心に蒔かれ、植えられた信仰の種が育ち、信仰の命が育って今日を迎えた。岩の下に埋もれた命をよみがえらせて下さったのである。今日の信仰の恵があるのは連綿と続く信仰の命の恵の実であると言える。様々な試練が教会を襲い、祈りと信仰によって多くのクリスチャンの忍耐と努力で今日の阪神チャペルセンターがある。
会堂献堂の司式は川崎一師によって行われ、続いて山田二三雄師によって三日間記念特集が行なわれ多くの人々が救われる。特に、20人ばかりの高校生が救われ熱狂的な宣教の群れが生まれる。機関紙の名前が「殉教者」であった。その時に救われた人が、今も礼拝に出席されている伊佐盛雄兄である。何と素晴らしい証しではないだろうか。
会堂建立が終わり祝福の中に試練が来た。教会は新しい恵に燃えていた。しかし、最初の天幕の時に救われた人々が御影の教会で礼拝することに固執するようになり分裂が起こることになる。大きな悲劇であり試練であった。一方、新しい人々は恵まれて宣教の情熱に燃え、中沢氏はオスワルド・スミス師の影響によって世界宣教の情熱とビジョンを実践することに導かれ、徳島開拓に転身することになる。そこで、又、先生の情熱を理解できず教会は大きな試練に出会う。中沢師は徳島開拓に専任される事になり、尾崎教会の徳木師が兼牧されることになる。間もなく廣瀬師が着任された。1960年のことである。その時、教区長であった山城晴夫師が主管者として奉仕される。
教会はその後祝福の内に成長し、1967年旧会堂の増築に取り掛かる。1964年を契機に崔子実師との交流が始まる。やがて汝矣島純福音教会との連携で趙師による教会成長運動と共に、関西福音クルセードが始まり事務局となる。1979年にはその成果として新しい会堂建設が始まり、5月13日に献堂する。そして新しい会堂は阪神チャペルセンターとしてテレビ伝道「幸福への招待」のスタジオとして用いられる。教団では1999計画の基に宣教が進められる。廣瀬師は関西教区長に就任し関西の諸教会の開拓に協力される。教会成長運動から2000年以降は急激な社会的体制、経済変化の中で日本の諸教会は宣教の閉塞期を迎える。しかし、新しい阪神チャペルセンターはあらゆる宣教の機会に対応し広く宣教を進めて来ている。露の五郎落語伝道集会、異色のアーサーホーランド伝道集会、豊竹英太夫浄瑠璃講演伝道集会などを積み重ねて宣教の働きを進めてきた。そして2006年よりグロリア・ゴスペル・コワイヤを結成し、幾度となく宣教集会を開き、関西諸教会を応援してきている。
今新しい時代を迎え、青少年への宣教にビジョンを持って教会の発展を願って祈りが続けられている。創立30周年に徳木師が残されたメッセージ「ヨセフは実を結ぶ若木、泉のほとりの実を結ぶ若木。その枝は石垣を越えて伸びる。」(創生記49:22)を思い出し新しい世紀を越えて伸びていこうではないか。




今週のみ言葉 
「神を愛する者たち、つまり、御計画に従って召された者たちには、万事が益となるように共に働くということを、わたしたちは知っています。」(ロマ書8:28)




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