2011年 1月16日 礼拝メッセージ 
メッセージタイトル  「家の安定と祝福の土台」
聖書箇所  申命記5章1−22節
 1月17日は阪神淡路大震災記念日です。6436名の命が一瞬のうちに失われた惨事は忘れることが出来ません。46万世帯の人々が建物の全半壊を経験しました。人生が一瞬にして儚く変わる悲しい出来事でした。16年後の今、明石大橋も完成し、阪神間の町並は一新された。この災害から多くのことが学ばれました。

一つに震災の防御は常に心懸けて耐震構造を十分準備することであった。二つに互いに助け合う心の尊さである。三つに人生には激変が起こることがあることを学んだ。

一つは、建物の構造上の問題である。二と三は人の問題であり、人と人の問題です。震災に出会ったとき、人がどのように行動し、生きるかということを問われたと言えます。交通機関の途絶えた阪神の幹線道路では多くの人が黙々と神戸に向かい、道端では誰が命令したのでも頼んだのでもなくおにぎりを配っている姿があった。人情の温かさに誰もが感動したのでした。

 震災で人間とは何かを学んだのです。人とは何か。動物である。理性を持って生きるホモ・サピエンスです。と言っても「人である」と言うことと「人になる」(人として生きる)ということとは違うようです。

「父と母を敬え」という十戒の言葉は、両親と親子の関係の「在り方」を示し、それが家庭の幸福の基本であることを教えています。人は、一人では生きていくことは出来ないものです。家族があり、仲間が出来、人のつながりで生きていきます。

「人のつながり」は世間であるのです。人の繋がりは約束で結ばれる。その約束を守ることによって世間が成り立ち、生活が約束されるのです。人は、人と共に生きる時に「人間」になるといえます。
 
 神様は、人を創造されました。神に似せて創造されたのです。(創1:27)「神が愛」である。(ヨハネT4:8)だから「人も、愛で生きる」のです。

愛は、人を完全に繋ぐ絆です。(コロサイ3:14)愛は、信頼であり、約束であるのです。神様は、人が、人共に生きる十の約束の基本をお示しになりました。
それが十戒です。人と人との繋がりは神様を愛することによって成り立っている事を教えています。そしてこの約束が守られる時に祝福が約束されているのです。(申5:33)

「わたしの僕モーセが命じた律法をすべて忠実に守り、右にも左にもそれてはならない。そうすれば、あなたはどこに行っても成功する。この律法の書をあなたの口から離すことなく、昼も夜も口ずさみ、そこに書かれていることをすべて忠実に守りなさい。そうすれば、あなたは、その行く先々で栄え、成功する。」(ヨシュア1:6−7)

 十戒はイスラエルが苦難のエジプトからモーセに導き出されてシナイの山で神様から「約束の地」カナンへの帰還と祝福を約束として授けられるのです。この十戒は、神様と人との絆を結ぶ約束であり、神様との絆が、人と人との基本的な絆となって成功と祝福を約束するもであるのです。十戒は神と人との関係と人と人の関係の約束の二つに分かれており、前半4つの戒めは神様と人との約束であり、戒めであるのです。後半の6つの戒めは人と人とが生きるための根本的な戒め、約束であるのです。

 この神様の約束の基本的で根本的な戒めの要は、第一の戒めです。
「 あなたには、わたしをおいてほかに神があってはならない。」(出20:3)
真実の創造の神以外を礼拝してはならないのです。そして偶像を作り、仕えてはならない。その基本的な戒めを生活と人生の土台にすることがキリスト教の信仰の元になります。その約束の証しとして、神を畏れ、敬い不敬虔に神様の御名をけがしてはならないのです。

そして、最後の4つ目に創造の日の最後日に休まれ、記念して聖別し、安息して喜ばれたように、安息日(キリスト教の日曜日)は仕事を休んで、神様の天地創造を記念し、造られた愛の証しを覚え感謝と礼拝をささげることによって一時も神様の恵みと愛を忘れることがないようにするのです。

この土台の上に「父母を敬う」家庭の在り方の基礎の約束を示しています。家庭のあり方は、ハイデルベルグ信仰問答では「父母を敬う」ことをこの世において人の上に立つ権威者すべてに対する人々の態度を定めているのです。

このような理解は世の成り立ちを言っているのです。これを始めとして人の幸せの絆の約束の戒めが続いているのです。「人を殺すな」「姦淫するな」「盗むな」「嘘をつくな」「人のものをむさぼるな」が続きます。

 人の絆の安定こそは信頼と協力と共同を約束するカギであり、繁栄の希望の保障であるのです。人生の土台、この一年の土台を、神様の約束の「戒め」に立ち、祝福の実を刈り取る一年でありたいものであります。

「主の教えを愛し、その教えを昼も夜も口ずさむ人。その人は流れのほとりに植えられた木。ときが巡り来れば実を結び、葉もしおれることがない。その人のすることはすべて、繁栄をもたらす。」(詩1:2、3)

【今週のみことば】
(詩1:2、3)
「主の教えを愛し、その教えを昼も夜も口ずさむ人。その人は流れのほとりに植えられた木。ときが巡り来れば実を結び、葉もしおれることがない。その人のすることはすべて、繁栄をもたらす。」


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