2011年 5月8日 礼拝メッセージ 
母の日礼拝
メッセージタイトル 「母の愛と家庭の幸せ」
聖書箇所 マタイ12章46−50節
「わが子よ、父の諭に聞き従え。母の教えをおろそかにするな」(箴言1:8)聖書は、人の幸せの土台は家庭にあることを教えています。家庭は父と母によって形成されます。母が子を生みだし、育てます。その生活を支えるために父が働く、これが家庭の原型であると言えます。男女共同社会で生活様式は変わっては来ていますが、男女のおかれている役目は父が家庭を守り、母が家をはぐくむという流れは受け継がれています。
旧約聖書のルツ記はイスラエル民族の流浪の歴史が展開される士師記と王制を確立する権力抗争のサムエル記の間におかれています。このルツ記は国家の変貌や権力の抗争がどのように代わっても家庭の中の人の営みは変わらない姿であることを示しています。世の中で経済不安、災害、戦争や混乱が起り、変化があっても、家庭には父と母がいる。子供が守られ、教え諭され育まれ、助けられる営みは変わらないのです。しかし、家族は様々なことに出くわす中で崩壊して行くのです。ルツ記はユダのベツレヘムに住むエリメレクとナオミと二人の息子の家庭の記録です。平凡な生活はある時、飢饉に見舞われ異教の地モアブに移住します。間もなく父エリメレクは家族を残して死にます。二人の息子はモアブの娘を嫁にとります。しかし、不幸は重なり、その二人の息子も死にます。母ナオミは国に帰ることを決意します。二人の嫁はモアブの人ですから家に帰り、再び、新しい人生を切り開くようにナオミはすすめます。二人の嫁は、姑が別れを告げると激しく泣いた。別れたくないという二人にルツは、行く末を案じて家に帰るように説得した。オルパは間もなく家に帰ることにしたが、ルツは「お母さんと一緒にどこまでも行きます。お母さんの死ぬところで死に、共に葬られます。“あなたの民はわたしの民、あなたの神は私の神です。”」と言うのでした。ここには血のつながりのない。また、異民族出身でありながらも両親や夫が信じてきた“天地創造の神”を心の底から信じているルツの気持ちがあらわれているのです。やがて二人は故郷に帰り、ルツは一族の繋がりのあるボアズと出会い、その家系を残すことになるのです。その子オベドはダビデの祖父となるという記録でルツ記は終わります。この一家庭の記録には、聖書の救いの歴史の重大なメッセージであるダビデの家系から救い主が生まれるという意図があると見られます。しかし、大切なことは信仰による心のつながりこそが真実に人が神様の祝福に生かされるかを語っているのです。
マタイによる福音書12章にはイエス様が多くの人に話をされている時、ある人が母と兄弟が話したいことがあって立っておられる、と言ったのです。そこでイエス様は「「わたしの母とはだれか。わたしの兄弟とはだれか。…見なさい。ここにわたしの母、わたしの兄弟がいる。だれでも、わたしの天の父の御心を行う人が、わたしの兄弟、姉妹、また母である。」(マタイ12:48−50)神の御心に生きる。神を信じる信仰に生きる心のつながりこそは神の家族であることを云われている。イエス様は、十字架の最後の時に母マリヤに愛する弟子(ヨハネ)を指して「婦人よ、ご覧なさい。あなたの子です。」ヨハネに「あなたの母です。」と言われている。(ヨハネ19:26、27)弟ヤコブはエルサレムの長老として大きな働きをし、殉教している。イエス様は家族を大切にされている事がわかる。しかし、人を、真実につなぐ絆はキリストの福音であり、十字架の救いであることを意味しているのです。「自分の家族の者が敵となる。わたしよりも父や母を愛する者は、わたしにふさわしくない。わたしよりも息子や娘を愛する者も、わたしにふさわしくない。」(マタイ10:36、37)神を愛する人が、両親を真実に愛することになるのです。神の信仰と愛によって繋がれた家族こそは、如何なる時も希望と力を生み出せる約束であるのです。そこで、使徒パウロは「子供たち、主に結ばれている者として両親に従いなさい。それは正しいことです。“父と母を敬いなさい。”これは約束を伴う最初の掟です。」(エフエソ6:1,2)と言います。また、「自分の親族、特に家族の世話をしない者がいれば、その者は信仰を捨てたことになり、信者でない人にも劣っています。」(テモテT5:8)と断言するのです。
両親を敬うことと従うこととは違います。両親が、道徳的にふしだらで、価値観が出鱈目で、家族を顧みない時でも子供は“両親を敬う”ことを聖書は戒めているのです。イエス様の愛で忍耐をもって仕え、助け、いたわり、仕えることです。キリストの愛こそが両親を救い、家族の不幸を回復するいのちとなるのです。 キリストの教会は神の家族です。真実の親孝行と家庭は神の家族の約束であるのです。母の日に私たちはイエス様の十字架に表された神様の愛をもって感謝を表そうではないか。

 
【今週のみことば】
エフエソ6章2節

 「父と母を敬いなさい。」これは約束を伴う最初の掟です。


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