2011年 6月26日 礼拝メッセージ 
メッセージタイトル 「大いなる恵みと命の水」
聖書箇所 ヨハネ7章37−39節
動物でも植物でもそのいのちは水に支えられています。美しい花も、豊かな実も水がなければ育ちません。雨が降らなければいのちは育ち、維持することは出来ないのです。豊かな実りと緑の森は豊かな雨で育ちます。ヨハネによる福音書7章の37節には「祭りが最も盛大に祝われる終わりの日に、イエスは立ち上がって大声で言われた。『渇いている人はだれでも、わたしのところに来て飲みなさい。』」(ヨハネ7:37)と記されています。この祭りは10節以降に記しているように仮庵の祭りのことであって、この祭りは7日間祝われるのです。その最後の日は特別な日として“シロアムの池”から水を汲んで神殿の祭壇に注ぐという儀式を行うのです。それは、収穫の恵みは“天からの雨”神様の恵みであり、豊かな収穫もその祝福であるという感謝を表すものであるのです。これは約束の地カナンに定着し農耕生活に入って後に伝承するようになったのですが、仮庵の祭りは言うまでもなく、エジプトから解放されてシナイの荒野を40年間旅する間、粗末な仮の住まいに耐えながら荒野を移動した苦しみから最後にヨルダン川を渡ってカナンにはいる感謝と恵みを記念する祭りであるのです。砂漠の荒野では食料と水はなく死活問題であるのです。正に、神様に信頼する人は如何なる試練の中にあっても守られ支えられるという確固とした信仰を養う訓練でもあったといえるのです。その試練の苦しみからの解放と祈りが答えられた喜びの祭りであったのです。
この日に、イエス様は「渇いている人はだれでも、わたしのところに来て飲みなさい。わたしを信じる者は、聖書に書いてあるとおり、その人の内から生きた水が川となって流れ出るようになる。」と言われるのです。この水こそはクリスチャンに約束されている“聖霊”であると言っています。それを飲む人は、体の内からあふれ、流れ出るのです。ヨハネによる福音書20章ではイエスが弟子たちに「聖霊を受けなさい」と言われています。
ここで教えられている事は、第一に、試練と困難の荒野の日々から約束の地に帰る恵みであったのです。エジプトにおける拘束と圧迫、搾取と強制からの解放、自由を失ない、絶望からの解放であったのです。「渇いている者」と言うことは、願っている、ほしいと思っている、正に、今必要なものが分っている事を意味しています。荒野の試練を回想して、今、自分が、“生きるのに最も大切なもの”を自覚することこそ“渇く”“求めるようになるというのです。“聖霊”を受ける時、神の恵みを知るものとされるのです。「聖霊が、あなたがたにすべてのことを教え」(14:26)。弟子たちが、ペンテコステの日に聖霊を受けて、初めてイエス様は罪の贖いとして十字架に架けられたということがハッキリと解ったのです。信じることが弟子の内で悟りとなって確信できたのです。第二に、その確信は、“力”、即ち、“いのち”となったのです。救いの確信が、喜びとなり、喜びは“力”となっているのです。聖霊を受ける時、聖霊は力として、“いのち”となります。第三に、そのいのちこそは、「キリストの愛であるのです。「愛」は情調的であるばかりでなく、確信と力として強い意志となります。「愛には恐れがない。完全な愛は恐れを締め出します。なぜなら、恐れは罰を伴い、恐れる者には愛が全うされていないからです。」(ヨハネT4:18)口語訳では「恐れをとり除く」と訳されています。真実の愛は愛する者のためにはすべてをささげるというのです。愛は、勇気であるのです。正に情熱となります。キリストを愛する人は、キリストの御心に生きることを喜びとするのです。第四に、その愛に生きるときに、人々にキリストの愛と恵みを語る喜びに向かうのです。それが全世界にキリストの愛と福音を伝えるいのちとなり、力なり、勇気となるのです。第五に、このキリストの愛は、人柄と言葉にキリストの品性を生みださせるのです。人の内、魂の内に聖霊、即ち、キリストが共にいて罪と悪の残滓(ざんし)をことごとく取り除き、“聖霊の実”を実らせて下さると約束しているのです。「霊の結ぶ実は愛であり、喜び、平和、寛容、親切、善意、誠実、柔和、節制です。」(ガラテヤ5:22,23)
この聖霊の満たしこそは世界にその神の恵みの福音が拡大される「力」と命となったのです。迫害や試練、困難を恐れず宣教の扉が開かれて行きました。今私たちはこの福音に生かされているのです。キリストの愛に徹して生きる喜びを共にしようではありませんか。

 
【今週のみことば】
ガラテヤ5章6節
キリスト・イエスに結ばれていれば、割礼の有無は問題ではなく、愛の実践を伴う信仰こそ大切です。


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