阪神チャペルセンター
  礼拝メッセージ
 
2020年4月26日
「あなたがたを遣わす」
ヨハネ20章19-23節

 4月最終の日曜日を迎えました。先週からyoutube礼拝を始めましたが、皆さんにとってどのような一週間だったでしょうか。外出を自粛するようにとの要請の中で、不自由でも御言葉によって心が燃やされた一週間ではなかったかと推察いたします。
私たちは、復活され、今生きておられる主イエスを見上げながら、今日も礼拝をささげたいと思います。
主イエスが復活された日、日曜日ですが、弟子たちはしっかりと戸締りをして家にいました。ユダヤ人を恐れたのです。主イエスを捕らえて十字架で処刑したように、自分たちも捕らえられるのではないかと恐れました。
そこへ、復活の主イエスが来てくださいました。彼らの真ん中に立たれて、「あなたがたに平和があるように」と言われました。
主イエスは、御自分の手とわき腹をお見せになりました。十字架で受けた釘の後とヤリで突き刺されたわき腹です。確かに主イエスです。
わざわざお見せになったのは、御自分が復活したことを伝えるためでした。弟子たちは主が来て下さり、主を見て喜んだのです。その喜び方は、有頂天になるほどの喜び方でした。
ユダヤ人を恐れてひっそりと戸締りした中にいたのに、主イエスが来られた時、喜びに沸き立ちました。
主イエスは、彼らの真ん中にお立ちになりました。主イエスはもう一度、「あなたがたに平和があるように」と言われて、「父がわたしをお遣わしになったように、わたしもあなたがたを遣わす」と、続けて言われたのです。
「あなたがたに平和(平安)があるように」、シャロームという言葉は、現代では、単に挨拶の言葉として使われているようですが、聖書で使われているのは、本当にすばらしい祝福の言葉です。
神と人との間に平和、和解がありますように、あなたが平穏無事でありますように、安全に生活されますように、あなたのお仕事が栄えますように、あなたの体と心の健康が向上しますように、あなたの生命力が満ち溢れますように、あなたの霊的目が開かれ、暗闇の中から神の愛の中に導かれますように、罪と世に勝利しますように、といったように非常に積極的な数々の祝福の言葉なのです。これらが平和(平安)、シャロームという言葉に含まれています。
豊かな溢れるほどの祝福があなたにありますようにと、祝福し合うのは素晴らしい事です。
弟子たちは、主イエスが逮捕されてから平安な心などありませんでした。主の御体が墓にはなく、天使が復活されたと告げても信じる事が出来ませんでした。恐れと、戸惑いの中に夕方を迎えていました。
そこへ主が来られて、「あなたがたに平和があるように」と言われたのですから、踊り上がるほどの喜びに満たされました。
主イエスは弟子たちに平和を告げに来られただけではありません。大切なメッセージを与えに来られたのです。
「父がわたしをお遣わしになったように、わたしもあなたがたを遣わす」(ヨハネ20:21)というメッセージです。
主イエス・キリストの救い、福音を伝えるためにあなた方を世に遣わしますという使命をお告げになりました。
主イエスはこの世に遣わされて、十字架の贖いを成し遂げてくださいました。
世界は、どのような時代を迎えたのでしょうか。誰でも、イエスをキリストと信じる者は、罪が赦され永遠の命を持つことが出来るという恵みの時代を迎えたのです。罪のために神との関係が絶たれてしまっていたのに、キリストの十字架という救いの橋を架けて下さり、この方を受け入れる者は誰でも新しい復活の命に生かして下さる、これが新しい時代の福音です。主イエスと十字架に架けられた犯罪人さえも、救われました。
あの、シャロームという言葉の中にある祝福全てがキリストを信じる者の特権として与えられました。
しかも、天地を造られたまことの神を、「父、アッバ」と呼んで、近づくことができる、神の子とされました。
私たちは、「今や、恵みの時、今こそ、救いの日」(Uコリント6:2)とある通りの、恵みの時代に生かされています。
その良い知らせを人々はどのように聞くことが出来るのでしょうか。
主イエスはまず弟子たちを遣わされました。
主イエスは彼らに息を吹きかけられて、「聖霊を受けなさい」と告げられました。
主イエスは弟子たちにかねてより聖霊についてお話しされていました。「父は別の弁護者を遣わして、永遠にあなたがたと一緒にいるようにしてくださる。この方は、真理の御霊である」(ヨハネ14:16、17)とあります。真理の御霊は、信じる者といつまでも共におられる方、あなたがたの内に居られる方ですから、決してあなたがたを「みなしご」(ヨハネ14:18)にはしないと約束されました。
主イエスは弟子たちに息を吹きかけられて、「聖霊を受けなさい」(ヨハネ20:22)と言われました。
ニコデモが夜、主イエスを訪ねて来た時、主イエスは、聖霊が風のように自由に働かれることを教えておられます。
「風は思いのままに吹く。あなたはその音を聞いても、それがどこから来て、どこへ行くのかをしらない。霊から生まれた者も皆そのとおりである。」(ヨハネ3:8) 聖霊によって新しく生まれる事を教えておられるのですが、風は目で見ることはできません。しかし、それが吹いている事はわかります。聖霊も風の様に動き、人を新しく生まれさせるだけではなく、新しい力に満たし、御言葉に従うように導いてくださるのです。
風と聖霊は、同じプニューマという言葉が使われています。人を新たにし神に属する者とされるのは、聖霊の業です。そのことを主イエスは息を吹きかける事で現わされたのです。
23節で、「だれの罪でも、あなたがたが赦せば、その罪は赦される。だれの罪でも、あなたがたが赦さなければ、赦されないまま残る」(ヨハネ20:23)と言われました。
主イエスは、赦しについて、一貫して「赦しなさい。そうすれば赦されます」(参考マタイ6:14、15)と教えておられます。
さらに、主のこの御言葉により、赦すという事に大きな責任があることを教えられます。赦す心、赦す思い、これは主の御心です。
主イエスは、恐れを持ち、戸を閉ざしていた弟子たちに、平和(平安)を与え、聖霊に満たされることを約束し、新しい使命を与えました。
それは、この世に遣わし、福音を伝えるという使命です。
福音は全世界に広まり、私たちの許にも届きました。主イエスを伝えてくれた教会や人々がいたので、私たちは救われました。戦後多くの宣教師が来日して、福音のために仕えてくださいました。主に派遣されたのです。私たちの教会は日本人牧師と共に、ジョンストン宣教師夫妻の働きがありました。
多くの祈りと財がささげられて教会が建て上げられたのです。
私たちにも聖霊が注がれ、内在し、溢れ、この世に救いを伝えるようにと派遣されている事を忘れてはなりません。
クリスチャンは、新しく生まれて神の国の民となり、そこから現在の所へと遣わされているのです。
イエス・キリストこそ、復活された救い主です。信じるものすべてに永遠の命と赦しを与えて下さる方です。
私たちは、家庭に、職場に、学校に、地域に遣わされています。聖霊によって祈り、用いてくださる事を願うなら、聞き届けられて、魂の救いのために用いられるでしょう。
 私たちは、今、そこに遣わされている宣教師であることを覚えて、日々救いのために祈り、語り、生活の中で主の栄光を現わす者であるように祈り続けましょう。


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