阪神チャペルセンター
  礼拝メッセージ
 
2022年10月23日
「神の御計画に従って」
使徒言行録16章6-10節

 きょうも礼拝をささげられることを感謝します。

主イエスがすべての人の罪の贖いの為に十字架に架り、復活されて後、主イエスを信じた者の群れは、主が復活された日曜日に、礼拝をささげるようになりました。日曜日に集まり、礼拝をささげるのは、主イエスの十字架の死と復活の記念です。また、私たちが十字架により罪を贖われ、主の復活の証人であることの証しなのです。
心から主を崇めましょう。

パウロは3回伝道旅行をしました。シリアのアンティオキア教会が伝道の拠点となっていて、この教会から祈りと断食によって送り出され、出発したのです。ちなみにこのアンティオキア教会で、主を信じる者がキリスト者(クリスチャン)と呼ばれるようになりました。
第二回目の伝道旅行の折、パウロはアジア州で伝道することを聖霊に止められました。このアジア州とは、現在のトルコの南西部にあたります。
それで、フリギア・ガラテヤ地方を通って行きました。この地域は小アジアの中央部にあたります。ミシア、ビティニア州にも入ることも聖霊に止められ、北西部にある港町トロアスに到着したのです。パウロたちは小アジアの西に行く事ができなかったので、北に向かうことになりました。トロアスでパウロは幻を見ました。
一人のマケドニア人が、「マケドニア州に渡って来て、わたしたちを助けてください」と訴えたのです。マケドニアとは、主に今のギリシャ一帯の事です。
パウロはこの幻を見て、すぐにマケドニアに向けて出発しました。
この出発の時の記述が、それまでは彼らが、とあったのに、「わたしたちはすぐに出発した」と、記されています。使徒言行録の著者はルカによる福音書を記したルカです。この時点からルカも伝道旅行に同行したと考えることができます。
マケドニアでの最初の宣教地はフィリピでした。フィリピの川辺の祈り場で、紫布の商人、リディアと出会い、リディアと家族は主イエスを信じてバプテスマを受けました。フィリピでの最初のクリスチャンとなったのです。
パウロたちはマケドニアの町々で伝道し、宣教は拡大していきました。
テサロニケ、べレア、アテネ、コリントなどギリシャの町々に福音が伝えられていきました。
二回目の伝道旅行に出発する時、パウロはマケドニア、(ヨーロッパ)にまで出かけるようになるとは考えていませんでした。
バルナバに、「さあ、前に主の言葉を宣べ伝えたすべての町へもう一度行って兄弟たちを訪問し、どのようにしているかを見てこようではないか」(使徒15:36)と言っているからです。第一回目の伝道旅行で行った町へもう一度行って、教会を励まし、信仰をしっかり保つよう、励ますつもりでした。ですから、第一回目の伝道旅行と同じ行程をたどるつもりでした。
ところが、天の父にはご計画がありました。パウロの思いをはるかに超えたご計画で、ヨーロッパ伝道に導かれたのです。
この伝道旅行の出発の時、大きな問題が起こりました。それは、良き同労者であるバルナバとの別れでした。バルナバは、いわばパウロの恩人です。
伝道旅行の拠点となった、シリアのアンティオキア教会は、異邦人教会でしたが、大変恵まれて、多くの人々が救われているとの情報が、エルサレムに伝えられたので、エルサレム教会からバルナバが遣わされました。
バルナバは、慰めの子と呼ばれていた人で、「立派な人物で、聖霊と信仰とに満ちていた」(使徒11:34)と紹介されています。
先週、「聖書から忍耐と慰めを学んで希望を持ち続けることができるのです」(ローマ15:4)という御言葉を学びました。「慰め」は、励ましとも、勧めとも訳すことができる言葉です。
バルナバはその名の通り、人を慰め、励まし、主イエスの良い働きをする人でした。
アンティオキア教会で信者たちを励ましたバルナバは、はるばるタルソまで出かけて行き、パウロを探し出してアンティオキア教会に連れてきました。ここで、二人は一年間福音のために働きました。
パウロを使徒として認め、福音のために導きだしたのはバルナバでした。
二回目の伝道旅行に、マルコと呼ばれるヨハネを同行させるかどうかで、パウロとバルナバは意見が激しく分かれてしまいました。
このヨハネは、第一回目の伝道旅行で、途中でエルサレムへ帰ってしまったのです。ヨハネの家はエルサレムにあり、エルサレムの家の教会として用いられました。
バルナバはヨハネを連れて行こうと考えていました。もう一度ヨハネが主の働きの為に用いられるように、チャンスを与えたかったのかもしれません。しかし、パウロは勝手に途中で帰ってしまった者を連れて行くべきではないと考えました。結局、バルナバはヨハネと共に、キプロスへ渡って行きました。キプロスはバルナバの出身地です。
パウロはシラスと共に出発しました。
伝道旅行の途中、すでに弟子となっていたテモテと出会い、テモテも連れて旅を続けました。
そして、小アジアで伝道することを聖霊に止められて、マケドニアに渡り、宣教する働きが備えられました。
マルコと呼ばれたヨハネですが、パウロは彼を忠実な信仰者とは認めていなかったようです。しかし、後にテモテに宛てた第二の手紙に、ルカだけが自分と共にいることを記し、「マルコを連れて来てください。彼はわたしの務めをよく助けてくれるからです」(Uテモテ4:11)と記していて、マルコがパウロを助け、主の働きを立派に努めていることがわかります。
さらにこのヨハネが、マルコによる福音書を記したのです。
パウロとバルナバがその後どういう関係を結んだかは、記事がありません。しかし、パウロが認めるほどのマルコの霊的な成長を促したのはバルナバだと考えることができます。そうであるなら、聖書には記されてはいませんが、パウロとバルナバも和解し、それぞれが主の宣教に用いられたと考えられます。
パウロはローマの信徒への手紙で、「兄弟愛をもって互いに愛し、尊敬をもって互いに相手を優れた者と思いなさい」(ローマ12:10)と教えているからです。
バルナバとの和解がなされ、あらためてバルナバを兄弟愛で愛し、優れた者として尊敬したのです。
人は自分の生き方の中で計画を持ちます。計画がないとしっかりとした人生は築けないでしょう。
しかし、自分が思うようにはならないことが沢山あることを、私たちは知っています。
パウロは伝道旅行を始めた時、マケドニアに行こうとは思っていませんでした。自分の計画では、以前福音を伝え、信者の群れを立ち上げた町々の教会を訪問して、信仰を励まそうと考えていたのです。
トロアスでマケドニア人が、「わたしたちを助けてください」という幻を見た時に、直ちに神の御旨を受け入れました。
もっと広く、世界に向けて福音が拡大していったのです。
自分の思いが止められる時、人は失望します。しかし、それをとどめられたのが神であるならどうでしょうか。
あなたにはもっと大きな、広い働きが用意されているのだと、示しておられるのです。
進もうと思っていた道が閉ざされても心配したり、失望する必要はありません。神様は大きな、思いもよらないご計画を持っておられて、私たち一人一人を用いられるからです。
私たちに必要なのは、神に従う信仰と、御心を確信したら踏み出す第一歩です。きょうもこれからも神が自分に持っておられるご計画を求めながら、信仰の歩みを続けて参りましょう。

今週のみことば
「人の心には多くの計らいがある。
 主の御旨のみが実現する。」
 箴言19章21節


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