阪神チャペルセンター
  礼拝メッセージ
 
2023年7月23日
第4聖日礼拝
「一緒に熱心に祈ってください」
ローマの信徒への手紙15章30-33節

 毎日、暑さの中にありますが、主の守りと導きの中に過ごせることを感謝します。今日も天の父にむかい、心からの賛美をささげ、御言葉を待ち望みましょう。
この数週間、パウロの伝道旅行の足跡をたどりながら、御心を探って参りました。
パウロの生涯は、異邦人への宣教の生涯でした、3回の伝道旅行で、小アジアの町々に宣教して教会を建て上げ、さらにはマケドニアに導かれて主イエスの福音を伝えました。
パウロは、「エルサレムからイリリコン州まで巡って、キリストの福音をあまねく宣べ伝えました」(ローマ15:19)と語っています。
ローマ15章23節では、「もうこの地方には働く場所がなく」と記しています。
イリリコン州とは、聞きなれない地名ですが、これは、現在のアルバニアあたりを指していて、ローマ帝国の東半分と考えられます。
ですから、エルサレムから多くの町々を巡って、ローマより東側の伝道が終わっているという事でした。
これからはローマの西、イスパニア(スペイン)を伝道地と考えたのです。
パウロは、かねてより、ローマでも福音を伝える事を計画していました。しかし、なかなか道が開かれませんでした。
ローマの信徒への手紙1章には、「わたしは祈る時にはいつもあなたがたのことを思い起こし、何とかしていつかは神の御心によってあなたがたのところへ行ける機会があるように、願っています。」
(ローマ1:9−10)と、記されています。
ローマを訪問して、互いの信仰を励まし合い、力になりたい、そしてなにより、ローマで福音を伝えたいという思いがあふれていたのです。
すぐにでもローマへ行きたかったのですが、パウロにはしなければならない事がありました。それは、「聖なる者たちに仕えるためにエルサレムへ行く」という事でした。(ローマ15:25)。
マケドニア州とアカイア州の信徒たちが、エルサレムの信徒たちの貧しい人々を助けるために募金をしてくれたのです。
エルサレムの教会の霊的な助けを受けて、異邦人教会が建て上げられたことを考えると、異邦人教会の具体的な助けは義務だとあります。
エルサレム教会に募金を渡したら、ローマ訪問と伝道、最終目的地のイスパニア(スペイン)伝道を計画していました。
パウロは、ローマへ行く時は、「キリストの祝福をあふれるほど持っていく」ことを約束しました。
すべての人の罪の贖いを十字架でなされ、死んでくださった主イエス、三日目に復活されて、生きておられる主イエスご自身こそ、満ち溢れる祝福なのです。
パウロは、主イエスを中心とした、祝福に満ちたローマの信徒との交わりと、伝道に心を膨らませ、さらに西の果てと考えられていたイスパニア伝道へと、心は燃やされていました。
パウロは、主イエスの「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる」。
(使徒1:8)との御言葉に従い続けました。
パウロは、ローマの教会に祈りの要請をしています。
「兄弟たち、わたしたちの主イエス・キリストによって、また、“霊”が与えてくださる愛によってお願いします。どうかわたしのために、わたしと一緒に神に熱心に祈ってください。」(ローマ15:30)
パウロはまだ会ったことのないローマの信徒たちに、祈ってほしいと願いました。
パウロはエルサレム訪問を控えていたのですが、不安がありました。
その一つは、ユダヤ人による迫害です。パウロはこれまでも多くの迫害を受けてきました。そして、もう一つはパウロの異邦人伝道が、エルサレム教会の指導者たちに受け入れられ、歓迎されるだろうかという心配でした。パウロが異邦人に配慮して、律法を無視しているという誤解があったからです。
異邦人教会からの募金を快く受け入れてくれるかどうかという不安もありました。
祈りには距離も時間も関係ありません。ただちにいつでもどのような場所でもささげることができます。
互いに執り成し合うことができるのです。
「どのような時にも、“霊”に助けられて祈り、願い求め、すべての聖なる者たちのために、絶えず目を覚まして根気よく祈り続けなさい。」(エフェソ6:18)とあります。さらにパウロは、自分がキリストの福音を大胆に、適切に語れるように祈ってほしいとも記しました。
パウロの伝道は祈りに支えられていることが良くわかります。
私たちも、兄弟姉妹の信仰が祝福されるように、心を合わせて熱心に祈る事こそ、力となり、祝福であることを覚えましょう。
パウロは、エルサレム教会に歓迎されました。一つ目の不安はなくなりました。異邦人が救われて教会が建て上げられていることを、エルサレム教会は良く理解し、受け入れました。そして、ユダヤ人たちからの誤解をとくために、パウロが律法を守る者であることを示すように、配慮しました。
ところが、パウロが神殿にいることを見つけたユダヤ人たちは、群衆を扇動してパウロを逮捕しました。パウロが異邦人を神殿に入れたという偽証によってでした。エルサレム中が大騒ぎになり、パウロはローマの千人隊長によって二重の鎖で縛られました。
興奮した群衆から守るために、兵営に入る時には、兵士たちによって担ぎ上げられなくてはなりませんでした。
パウロは千人隊長にギリシャ語で、自分はタルソ生まれのユダヤ人で、ローマの市民権を持っていること、ユダヤ人たちに話をさせて欲しいと願いました。千人隊長が許可したのでパウロはヘブル語で群衆に証しをしました。迫害者であった時に、復活の主イエスにお会いして回心したこと、アナニアが祈ってくれて目が開いたこと、宣教する者となり、異邦人のために働いたことを話しました。
ところが人々は聞こうともせずに、大変な騒ぎになってしまいました。
結局パウロは囚人としてローマへ護送されることになります。
捕らえられたパウロのそばには主イエスがおられました。
「勇気を出せ。エルサレムでわたしのことを力強く証ししたように、ローマでも証しをしなければならない」(使徒23:11)
数年にわたる何度かの裁判の後、ローマ皇帝に上訴したパウロは、ローマへ船で護送されます。
船は暴風に襲われて難破し、船旅は苦労の連続でしたが、命を失うことはなく、ローマへ到着しました。
ローマの信徒たちが迎えに来てくれて、パウロは彼らを見て神に感謝しました。
パウロと同行者は、ローマで番兵を一人付けられて、自分の家に住むことが許されました。
パウロはまずローマのユダヤ人に、キリストを証ししました。ユダヤ人たちは大勢パウロの許を訪れ、福音を聞きました。ある者は受け入れ、ある者は信じようとはしませんでした。パウロは二年間自分の家に住み、訪問する者はだれでも歓迎し、全く自由に神の国を妨げられることなく語り続けました。
パウロはローマ教会を祝福し、祈りました。「平和の源である神があなたがた一同と共におられるように、アーメン。」(ローマ15:33)
神が平和の根源であり、神の平和を与えてくださいます。それは、主イエスが約束された平和です。
「わたしは、平和をあなたがたに残し、わたしの平和を与える。わたしはこれを、世が与えるように与えるのではない。心を騒がせるな。おびえるな。」(ヨハネ14:27)と約束されました。
神の平和は聖霊によって心から湧き上がるもので、だれも奪うことはできません。平和の源なる神を心に迎え、一つとされて互いに祈り合い、いつでもどこまでも福音が伝わるように、祈り備えて参りましょう。

今週のみことば
「どうか、わたしのために、わたしと一緒に
 神に熱心に祈ってください。」
 ローマの信徒への手紙15章30節


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