阪神チャペルセンター
  礼拝メッセージ
 
2023年9月24日 
第4聖日礼拝
「名を呼ばれる主」
ルカによる福音書10章38-42節

 9月最終の日曜日を迎えました。先週は、先に天に召された、愛する方々を記念して礼拝をささげることができました。 
お一人一人の信仰を覚えてこれからも記念し、私たちも信仰による歩みを全うしたいと思います。
 主イエスはたびたびベタニア村の、マルタ、マリア、ラザロの三姉弟の家を訪れておられました。
きょうのテキストによると、主イエスの一行をマルタが迎え入れたと記しています。
このところからも、マルタはよく気が付く働き者であったことがわかります。
マルタは、主イエスの一行をおもてなししたくて、あれこれと忙しく働いていました。
真心から主イエスを歓迎していたのです。自分の料理で喜んでいただきたかったのでしょう。
ところが、妹のマリアは主イエスの足元に座って、主イエスがお語りになる御言葉を聞いていました。
マルタは忙しさのあまり、主イエスに向かって、マリアに手伝うよう言って下さいと言ってしまったのです。
それもかなり強い調子で言いました。「主よ、わたしの姉妹はわたしだけにもてなしをさせていますが、何ともお思いになりませんか。手伝ってくれるようにおしゃってください。」
これは、マリアを非難しているだけでなく、マリアをそのままにしている主イエスに対して、私だけ忙しくさせて、何とも思わないのですかと責める気持ちが現れています。
私たちの心の中にも、そのような思いが湧き上がるようなことがあるのではないでしょうか。
家庭や職場、自分の置かれている環境の中で、自分ばかりが忙しく大変な思いをしているのに、あの人は何もしていないと責める心を持つのが人というものだと考えられます。
忙しいという字は、心を亡くすと書きますが、ほんとうに忙しさは人に、何が本当に大切なのかを忘れさせてしまうのです。
忙しさのあまり、主イエスに対して非難の心をもったマルタに主はどのようなお言葉をかけたのでしょうか。
「マルタ、マルタ、あなたは多くのことに思い悩み、心を乱している。しかし、必要なことはただ一つだけである。マリアは良い方を選んだ。それを取り上げてはならない。」(ルカ10:41,42)とお語りになりました
主イエスはマルタ、マルタと名前を二回続けて呼ばれました。
主が名前を二回呼ばれるのは、大切な恵みとメッセージを伝える時なのです。
主イエスは、マリアは良い方を選んだ。それを取り上げてはならないと優しくマルタを教えてくださいました。
どのような状況でも、まず神の言葉に真剣に耳を傾ける事、これこそ礼拝の姿勢です。
忙しいから、しなくてはならないことが山のようにあるからと、まず主イエスの前に座ってその御言葉を聞かないと、生活のすべてにきしみが出てしまいます。
まずなすべきことは、御言葉を真剣に聞いて信じる事、従うことです。それから、自分のなすべきことをしていくなら、主イエスはすべてを整えて導き、幸いな結果を得ることができるのです。
使徒パウロが迫害者として、ダマスコへ出かけた時、その途上で復活の主イエスに出会い、名を呼ばれました。
突然、天からの光がパウロを取り囲み、パウロ、その時はまだサウロと名乗っていましたが、彼は地に倒れてしまいました。
その時、「サウル、サウル、なぜ、わたしを迫害するのか。」(使徒9:4と呼びかける声を聞きました。
主がサウルの名を二回呼ばれたのは、パウロに使徒として、異邦人伝道の特別な使命を与えるためであり、大きな恵みをそそがれるためでした。
その後の使徒としてのパウロの働きは、良く知られるところとなりました。
聖書には、名前を呼ばれた人々の記録が数えきれないほどあります。
また、名前を呼ばれた人々の恵みについても多くが教えられています。
主イエスはご自分のことを、「わたしは良い羊飼いである」
(ヨハネ10:14)と証しされました。
イスラエルでは、羊を飼っている様子は至る所でみることができました。ですから、主イエスは羊飼いが羊を飼っている様子をいつもご覧になっていました。
聖書は主イエスと私たちの関係を、良い羊飼いと、羊にたとえて教えています。主イエスは良い羊飼いです。
羊は夜になると、羊の囲いの中に入れられます。羊の囲いには門があって、そこに番人がいました。
朝になると、羊飼いがやって来ます。羊の囲いの中の羊は、複数の群れでそれぞれ羊飼いがいました。
朝、羊飼いがやって来て、自分の羊を呼びます。自分の羊の名前を呼んで連れ出します。
羊は羊飼いの声を聞き分けて付いていきます。羊飼いは羊の先頭にたって、羊を導きます。
羊の群れが何匹であるかはわかりません。しかし、羊飼いは羊の名前を呼ぶのです。
羊が導かれるのはどこでしょうか。羊が生きるために必要な青草のある所であり、きれいな水が飲めるところです。
良い羊飼いは羊に何が必要かをよく知っていて、豊かに与えてくださいます。
主イエスは、羊に喜びを与え、命を満ち溢れるばかりに得させてくださるのです。
主イエスがベタニアで、忙しく心を乱していたマルタを、「マルタ、マルタ」と呼ばれて、本当に大切な事、優先するべき事を教えてくださいました。
命を豊かに満ち溢れさせる羊飼い、すなわちイエス・キリストご自身と、羊飼いが与えられる命の糧である御言葉をまず聞くことでした。
それから立って働くなら、祝福のなかに喜びをもって主イエスに、また、多くの人に喜ばれる奉仕ができるのです。
主イエスはいつも、羊である私たち一人一人を覚えて名前を呼んでおられます。
羊の群れにいても、羊の名を知り、大切な存在として世話し、養われます。
私たちの名も呼び、導き続けてくださいます。
「ヤコブよ、あなたを創造された主は イスラエルよ、あなたを造られた主は 今、こう言われる。恐れるな、わたしはあなたを贖う。あなたはわたしのもの。わたしはあなたの名を呼ぶ。水の中を通るときも、わたしはあなたと共にいる。大河の中を通っても、あなたは押し流されない。火の中を歩いても、焼かれず 炎はあなたに燃えつかない。」(イザヤ43:1−2)。
私たちを愛し、名を呼び守り、導き通して下さる主に感謝をささげます。
主イエスは良い羊飼いとして、命を捨てて下さいました。
私たちの罪を贖うために十字架で命を捨てられ、三日目に復活され、今生きておられるお方です。
多くの事に思い煩い、その御声を聞き漏らすことがないように心の耳を主に向けましょう。
忙しさのあまり、主の御言葉を聞き洩らさないようにしたいのです。
まず、お言葉を聞き、その愛に応答して参りましょう。

今週のみことば
「恐れるな、わたしはあなたを贖う。
 あなたはわたしのもの。
 わたしはあなたの名を呼ぶ。」
 イザヤ書43章1節



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