阪神チャペルセンター
  礼拝メッセージ
 
2023年12月3日
アドベント第一聖日礼拝
「世の光として来られた方」
ヨハネによる福音書8章12節

 今日から2023年のアドベントに入ります。クリスマスまでの四週間がアドベントの期間です。
アドベントとは、日本語で待降節と言うのですが、すべての人の救いとしてこの世にお生まれ下さる、主イエスのご降誕を待ち望み、祈り備える期間なのです。
世の中は、この季節になるとイルミネーションで美しく光を輝かせます。商業施設や、イベント会場でも大きな立派なクリスマスツリーを飾って、人々の目を楽しませます。
しかし、それらは主イエスのご降誕をお祝いするためではなく、キリスト不在の人間中心の楽しみとしての光であり、経済効果の為であることが残念であり、神の御心から遠いものになっています。一人でも多くの人が、本当のクリスマス、御子キリストの誕生、救いの到来という良いニュースを聞いてほしいと祈ります。
主イエスはご自身について、「わたしは世の光である。わたしに従う者は暗闇の中を歩かず、命の光を持つ。」(ヨハネ8:12)と証しされました。
主イエスを信じ従う者は、主の光に輝き、光の道に歩むのです。
聖書に記されているクリスマスの出来事を読むと、それらは暗い時間の出来事だとわかります。
東方の学者たちは不思議な星に導かれてユダヤにやって来ました。明るい時間には星は見えません。暗い夜に星は輝きます。
野の羊飼いたちに天使がご降誕を告げたのも、暗い夜でした。
教会歴でクリスマスは12月25日と定められたのは、一年で最も夜が長い時期で、しかしすぐに冬至を迎え、それから光の時間が長くなることに関係があると考える事が出来ます。
暗闇が最も深い時に、光をお迎えできたという信仰によるのです。
主イエスは、人々を照らすまことの光としてこの世に来てくださいました。ヨハネによる福音書1章では、主イエスをまことの光として紹介しています。
「その光は、まことの光で、世に来てすべての人を照らすのである。」(ヨハネ1:9)。
まことの光とは決して変わることのない、完全で純粋な光です。
主イエスは全ての人の心を照らし、救うために来られたのです。
主イエスがお生まれ下さった夜、一番最初にご降誕の知らせを受けたのは、野で羊の番をしている羊飼いたちでした。
暗く寒い夜中に、羊飼いたちは野宿しながら羊を守っていました。
彼らは、律法を知らない、守らない人々であると言われて、蔑まれているような人々でした。
ところが彼らの許に天使が現れ、良い知らせを伝えました。
羊飼いたちの周りを主の栄光が照らしました。
彼らは恐れましたが、遣わされた天使から良いニュースを聞きました。
天使は、「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」(ルカ2:10―12)と告げました。
突然この天使に天使の大軍が加わり、神を賛美しました。「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ」(ルカ2:14)。
天使たちが去った後、羊飼いたちは急いでベツレヘムへ行き、マリアとヨセフ、飼い葉桶の乳飲み子を探し当てました。
羊飼いたちはこの乳飲み子の事を人々に知らせました。
羊飼いたちは、天使が告げたことがすべてその通りだったので、神を崇め、賛美しながら帰りました。
彼らはこの夜、素晴らしい体験をしました。
神は貧しい者、人から差別され、軽蔑されているような者に、いつも目を留めていてくださる事を知りました。真の神が自分たちに最初に救い主のご降誕を知らせてくださったのです。
そして、救い主にお目にかかる事が出来ました。
彼らは賛美しながら帰りました。そこは相変わらず羊を守る野原です。同じところ、同じ生活に戻ったのですが、彼らの心は温かい神の光で輝きました。まことの光に照らされました。相変わらず羊の番をするのですが、この目で最初に救い主にお目にかかったという体験は、一生を通して彼らの心を光で照らしました。
私たちはどうでしょうか。この数年、コロナウイルス感染が広がり、本当に大変でした。感染力の強いウイルスですから、今も感染は続いています。インフルエンザが一年中流行り、ほかのウイルスによる感染症が増えています。報道によると、今、中国では数えきれないほどの子供たちが肺炎にかかっているそうです。世界中に広がるかもしれません。
コロナの為に様々な支障が起きて、いまだに元に戻れないようなことがたくさんあります。
個人的に、試練が続いて辛い日々を送っておられる方々がおられるかもしれません。病気や、日々の暮らし向きの心配があるかもしれません。
世界に目を向けると、パレスチナとイスラエルの戦争が続いています。犠牲者は一般の人々であり、子供たちです。
ウクライナとロシアの戦争も終わる気配がありません。
人と人の心が冷たくなり、相手を憎み、排斥し、自分の利益のみを追求するところから、人と人の間にも、国と国の間にも争いが絶えないのです。まさしく世、すなわち人の心の中は闇が支配しています。
信仰を持っていても、しっかり自分の心を見張って、闇に追いつかれない様に祈ることが大切です。
主イエスが十字架に架られる週、群衆に向かって、「光は、いましばらく、あなたがたの間にある。暗闇に追いつかれないように、光のあるうちに歩きなさい。暗闇の中を歩く者は、自分がどこへ行くのかわからない。光の子となるために、光のあるうちに、光を信じなさい。」(ヨハネ12:35,36)と教えられました。
まことの光である主イエスの光を受けた者は、その光の中を歩み通すことができます。
闇は人を支配し、キリストの光から引き離そうと追いかけるのですが、主イエスは何と宣言されたでしょうか。
「勝利」の宣言をされたのです。
「あなたがたには世で苦難がある。しかし、勇気を出しなさい。わたしは既に世に勝っている。」(ヨハネ16:33)
主イエスの十字架は罪と死からの完全な勝利です。
ですから、主イエスにある者は、闇がどれほど深くても怖れる必要はありません。
主イエスを救い主として信じ、心にお迎えした時に、私たちはどのように変えられたのでしょうか。
羊飼いたちは救い主にお目にかかり、賛美しながら自分たちの所に帰りました。それは羊の番をする野原でした。
彼らの生活は変わりません。しかし、その心には喜びと賛美が溢れて、
生き抜き、働くことができました。
主イエスのご降誕は、人を罪の闇から救い出し、まことの光に照らされて、永遠の命に歩み続けることが出来るようにするためです。
主イエスを信じた時から、わたしたちの心の中に、聖い御霊がお住まいくださいました。聖霊は私たちを照らし、救いの喜びと確信をいつも与えてくださいます。主イエスを心から愛し、人を愛し、互いに仕え合うことを教えてくださいます。
光の中を歩むことがどれほど素晴らしい事か、日々教えてくださいます。暗闇が深ければ深いほど光は輝きます。
そして、今、暗闇の中で光を待ち望み、救いを待つ人々が大勢いるのです。良いニュース、福音を伝えましょう。
私たちの救いの為にお生まれ下さった主イエスを仰ぎ、闇に支配されない様に、聖霊に探っていただき、悔い改めをもってアドベントの期間を過ごし、光として来てくださった主イエスを待ち望みましょう。

今週のみことば
「わたしは世の光である。
 わたしに従う者は暗闇の中を歩かず、
 命の光を持つ。」
 ヨハネによる福音書8章12節



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