阪神チャペルセンター
  礼拝メッセージ
 
2023年12月31日
感謝礼拝
「神の御計らい」
ルツ記1章16-18節

 2023年最後の日曜日を迎えました。一年間守られて今日まで来ることができました。計り知れない主の愛と導きを感謝致します。
天の父は、私たちにルツ記を通して御心を示してくださいます。
御言葉をしっかりと心に植え付けて参りましょう。
ユダのベツレヘムからモアブの地へ移り住んだ家族がありました。
夫婦と二人の息子の4人家族でした。
モアブは異邦の地でした。
ところがモアブで夫、エリメレクが死んでしまいました。妻のナオミは異邦の地で夫を亡くして、心細かったに違いありません。しかしやがて息子たちは成人して、それぞれモアブの婦人を娶りました。
長男はマフロン、次男はキルヨンと言いました。
マフロンの妻はオルパといい、次男の妻はルツと言いました。
しかし、なんとこの二人の息子も死んでしまいました。
残されたのは、ナオミと二人の息子の嫁でした。
ナオミはユダの地の飢饉が終わったということを聞いて、帰ることにしました。10年もモアブで暮らして、住み慣れていたモアブを去って、ユダに帰っても、どのような暮らしが待っているのか、分からない状態でした。果たして生活していけるのかどうかも分からなかったのです。
ナオミは二人の嫁に、自分の里に帰るように、強く勧めました。
二人の嫁は」ナオミと別れるのがつらくて、一緒にユダへ行くと言いました。ナオミが重ねて帰るように言うと、オルパは泣きながら帰って行きました。しかしルツは、ナオミにすがりついて離れようとしませんでした。
「わたしは、あなたの行かれる所に行き お泊りになる所に泊まります。
あなたの民はわたしの民 あなたの神はわたしの神。あなたの亡くなる所でわたしも死に そこで葬られたいのです。死んでお別れするのならともかく、そのほかのことであなたと離れるようなことをしたなら、主よ、どうかわたしを幾重にも罰してください。」(ルツ1:16−17)
と告白しました。
これは、ナオミへの愛と、真の神への信仰の告白です。
ルツは、モアブの女性でしたが、ナオミを通して真の神を信じていたのです。
ルツの決意が固いのを見たナオミは、ルツをベツレヘムへ連れて帰りました。
ベツレヘムには親族もいますが、異邦人であるルツを連れて帰るのですから、歓迎されるかどうかわかりません。当時は、未亡人が働くということはなく、これからの生活をどうするかという大きな不安を持っての帰国でした。
ナオミの不安は、ベツレヘムの人々がナオミさんと声をかけてくれた時に、なにもかも失って帰って来た私をナオミ(快い)と呼ばないで、マラ(苦い)と呼んでくださいと言った言葉に、良く表されています。
快い気持ちなどなく、心には苦い思いだけがありました。
さて、二人が帰国した時は、大麦の刈り入れが始まるころでした。
ルツは、大麦の刈り入れをしている畑に行き、落穂を拾うことにしました。
畑の刈り入れの時に、刈る人が落とした落穂を貧しい人たちが拾うことは律法で許されていました。
社会的に何の保証もない人々に対する救済のためです。
ルツが落穂を拾ったのは、ナオミの夫エリメレクの一族でボアズという人の畑でした。ボアズは有力な親戚でした。聖書は、ルツは「たまたまエリメレクの一族のボアズが所有する畑」へ行き、落穂を拾ったとあります。たまたまとは偶然のように思われますが、そこには神の深いご計画と導きがあったのです。
落穂を拾うルツを見て、ボアズはルツによその畑に行かないで、私の畑で落穂を拾うようにと言いました。遠慮なく水がめから水を飲み、ボアズの所で働く婦人たちと一緒にいなさいと言ってくれました。
ルツはひれ伏して、好意を示してくれるのはなぜかと聞きました。ボアズは、姑につくし、離れずにルツにとっては異国であるベツレヘムに帰ってきたことを聞いていたからですと、答えました。
そして、ルツを祝福しました。
「どうか、主があなたの行いに豊かに報いてくださるように。イスラエルの神、主がその御翼のもとに逃れて来たあなたに十分に報いてくださるように」(ルツ2:12)
ルツは大きな慰めと平安を持つ事が出来ました。
御言葉には、主の守りや祝福について、母鳥の翼にたとえている箇所があります。
「神はあなたを救い出してくださる 仕掛けられた罠から、陥れる言葉から。神は羽をもってあなたを覆い 翼の下にかばってくださる。」(詩篇91:3,4)。
「鷲が巣を揺り動かし 雛の上を飛びかけり 羽を広げて捕らえ 翼に乗せて運ぶように ただ主のみ、その民を導き 外国の神は彼と共にいなかった。」(申命記)32:11,12)。
先の見通しも立たず、孤独で苦しむとき、この御言葉を思い起こしたいのです。
母鳥がその翼の下に雛を隠して守るように、天の父は守ってくださるのです。その翼にのせて恵みの高みへと昇らせてくださいます。
そして、私たちは困難な時にこそ、「わたしの魂はあなたを避けどころとし 災いの過ぎ去るまで あなたの翼の蔭を避けどころとします」(詩篇57:2)と信仰の告白をすることができます。
天の父は、私たちを愛して、最善を成し遂げてくださるお方です。
ナオミはボアズの好意を得て、たくさんの大麦と、入り麦をナオミの許に持ち帰りました。
ルツからボアズとのいきさつを聞いたナオミは、ボアズが買い戻しの責任を負ってくれるのではないかと思いました。
買い戻すとは、自分のものであった土地や財産が人の手に渡ってしまったものを、代価を払って買い戻すことです。贖いとも言います。
ナオミの一家がモアブに旅立った時、エリメレクは自分の土地を誰かに売っていました。
買い戻しの責任を果たすのは、経済的にも大きな犠牲がいりました。ボアズはナオミとルツの財産を買い戻す決心をしたのですが、ボアズより買い戻しの権利を持つ親戚がいました。しかし、ボアズより権利のある親戚は、買い戻しの権利をボアズに譲りました。
結果としてボアズはナオミとルツを贖いました。
土地や財産を買い戻したばかりではなく、モアブの女性であるルツを妻として迎え、全生涯の責任を持ちました。
モアブを発つとき、このようなことが起こるとはナオミもルツも考えられなかったでしょう。しかし、真の神はご計画を持っておられました。
ルツはオベドという男の子を産みました。ナオミはその子をかわいがり養い育てました。人生に大きな喜びが与えられたのです。オベドはエッサイの父となり、エッサイはダビデの父でした。このダビデの末からメシアはお生まれになったのです。
ここに贖いの恵みと天の父の計り知れないご計画を知る事が出来ます。
神は独り子を下さり、私たちを買い戻してくださいました。その代価はキリストの十字架の血汐です。
今年も今日まで数えきれない恵みによって導かれてきました。神は私たち一人一人を贖い出されて、神のものとしてくださいました。十字架の血汐によって、既に罪は赦されました。
悲しさや、孤独に悩むことがあっても、私たちは御翼の下に守られています。そして神は、私たち一人一人にご計画を持っておられます。
神の栄光を現わすためです。主イエスの十字架の血汐によって、私たちは既に贖い出されました。深い愛と恵みに感謝し、来るべき年も神と共にあることを感謝しながら、進んで参りましょう。
「わたしたちはこの御子において、その血によって贖われ、罪を赦されました。これは、神の豊かな恵みによるものです。」
(エフェソ1:7)

今週のみことば
「わがたましいよ、主をほめよ。わがうちなるすべてのものよ、
 その聖なるみ名をほめよ。わがたましいよ、主をほめよ。
 そのすべての恵みを心にとめよ。」
 
詩篇103篇1-2節(口語訳)


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