三浦綾子読書会 レジメ
テーマ「愛の鬼才」
西村久蔵自伝記・三浦綾子著 新潮社刊
(2011.11.12.読書会より)
作品のテーマ 「“神の愛”―逆境の価値、生きる希望・・・死と人生とは何か」

(P45)「人生いろいろあらあな。落第もある。破産もある。失恋もある。・・・転べばおきりゃいい。言いか。起きりゃいいんだ。」「泣きたけゃ泣け」「なあに、人間、ちゃんと生きていけば、失敗もいつか勲章になる。人さまの前で、おれは中学校の時落第したことがある、と言える人間になってみろ。ああ、あの人でも落第したことがあるのか、どれだけの人間が勇気づけられるか。わからしねいと、思っている。一度の失恋したこともなければ、金のやりくりに苦労したことのない人間なんてえのは、どんなものかねえ。人の涙も、思いやることが出来るんじゃねえか。」「どんな失敗も取り返しがつく、・・・。高松を死なせた取り返しがつかねえ。
(P53)命だけは、・・・命だけは・・・」
(P51)母の言葉「辛い目に会わせてくれる人が、私たちを人間にしてくれるものなのですよ。それほどに口惜しい目に会わせてくれたお友達は、今にお前の恩人になるかもしれません。決して怨んではなりませんよ。」

罪の問題
(P57)受洗とその後の罪の問題。
(P58)人間、欲情と罪、人間の相対性と存在。
(P68)入信の確信とその証。高松の祖父との会話。
(P70−P92,第4章)時局の変化と人生の試練への対応。父伸夫の牛乳事業の没落と打開。洋菓子屋への転向。準備資金の借財なくなる。信吉の応援と友人の協力。資金の挫折と祈り
(P172)母カクの南部屋のかっての従業員、資産家藪惣七による協力。
(P173)母カクの言葉「一番大切なことは、神様が全てを整えて下さったことを忘れないことです。」

第二の時局試練。第二次世界大戦と物資統制時代の試練。生洋菓子からの転向をどのように克服したか。漁業産業への進出への転向。
(P238)「でも始めようと決めた以上、もう迷わずに、神様にお任せして、ただ真剣に始めることです。」

戦中における久蔵の宗教統制と応召への悔悟。
(P279)洋平の神棚と国賊問題、小野牧師の指導の是非。主計将校と言えども参戦への疑問。キリスト者と平和と戦争の問題。
(P258)小野牧師の留置、非戦と神社参拝の問題。
(P258、265)教会の講演と裁判の結果。無罪となる。弁護士、裁判費用一万円。

戦後の再建とキリスト村事業の実践。
(P286)戦争犠牲者への援護と信仰と愛の実践。時局の編成と本業の再興。

三浦綾子の西村久蔵から学んだクリスチャン人生。

「クリスチャンという者はね、ストーブのような存在でなければならないよ。ストーブは暖かくて、みんなが傍に寄って来たくなるでしょう。」西村久蔵の存在。
西村久蔵の生涯。キリスト村の活動を進める一クリスチャン平林篤は「先生の信仰は、正にパウロそのままだったと思います。その説教において、愛の行動おいて、わたしたち若者の信仰をいやが上にもリバイブされたのでした。」
(P340)

「人がその友のために自分の命を捨てること、これよりも大きな愛はない。」
(ヨハネ15:13)




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