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「日本が泣いた日 9月17日」


 日本が泣いた。9月17日、日朝首脳会談、日朝国交回復交渉再開の日である。
緊張した小泉首相の顔は硬直している。一億二千五百万人の人々が見守っていた。
この日、金正日総書記は、拉致事件を認め、5人の生存と8人の死を告げた。
やがて、死亡とされた人々の亡くなったという日が告げられる。同じ日に若い二人が亡くなっている。全ての人が殺されたと直感したに違いない。
ある日、突然行方不明になった。ある人は13歳、ある人は親子で。ある人は外国で・・・。その家族の苦しみが伝わってくる。
13歳の横田めぐみさんは、子供があり、28歳で亡くなっているという。想像を絶する苦しみと悲しみが交差する。横田めぐみさんは精神障害で自殺、他の方は交通事故、病死、その経緯の一端が調査団の報告を官房長官がたんたんとする。
誰が、これを信じる事ができただろうか。私は、果てしなく悲しく、・・・・思い、考えるたびに心は痛み涙が出る。関係者家族の気持を思うとこんなにも平和な国、豊かな国、自由な国にあって何故このような事が起こったのだろうか。国家の努めは国民の安全と命を守る事ではないか。国防責任が問われる。
 首相は、苦悩の中で日朝国交の書類に署名した。
北朝鮮は国家破綻の状態にあるといわれる。とりあえず食料を贈らなければならない。それでなくても毎年何万人もの餓死者がいるといわれている。国を捨て、生死をかけて亡命する人が後を絶たない。人間として耐えられない、耐えられない苦しみを敢えてこれを乗り越える道を選ばなければ生きる希望のない人のいる国。
金正日総書記は、「拉致を認め謝罪し、再び拉致と不審船事件を起こさせない」と約束した。この人のこの言葉を信じるしか道はなかったといえる。
 8名の人々の死、更に多くの隠されている犠牲者がいると思われる。大きな歴史の歯車に弱い個人が巻き込まれる悲劇、平和のための犠牲になった尊い生命。長い人間の歴史で繰り返されてきた。
 昨年の9月11日の同時多発テロの犠牲者、アフガンの多くの犠牲者、ヒロシマ、ナガサキの原爆犠牲者、若くして戦場に散った特攻隊の兵士、そして戦争で死んだ多くの人たち。
愚行を重ねながら、悲しみを一つ一つ超えて平和の尊さを学ぶ遺産として残すことになる。人間の罪深さを克服するために、平和と幸せを生むために犠牲となられた人々の事を忘れてはならない。
「キリストはわたしたちの平和であって二つのものを一つにし、敵意という隔ての中垣を取り除き、・・・二つのものをひとりの新しい人に造りかえて平和をきたらせ、十字架によって二つのものを一つのからだとして神と和解させ、敵意を十字架にかけて滅ぼしてしまったのである。
それから彼(キリスト)はこられた上で遠く離れているあなたがたに平和を宣べ伝えられたのである。」聖書 エペソ 2:14〜17

キリストの十字架の死は、人間の罪の贖いの死であった。

恨みと憎しみが戦争を生み、寛容と赦しが平和と共生を生む。!!!

「神はその一人子(キリスト)を賜ったほどにこの世(一人一人)を愛してくださった。
キリストを信じる人々が一人も滅びないで永遠の命を得るためである。」
                            聖書 ヨハネ 3:16
人が生きる。幸せに生きるために神は真実の愛を十字架で示された。赦しの原理こそ解決の道であろう。

「愛は寛容であって慈悲であり、恨みを抱かず、信じ、忍び、望み、耐える。」
                            聖書 コリント前 13:4〜7
 
この愛こそが真実の平和を生み出す。人は永遠の希望に生きる。その犠牲をいつまでも忘れてはならない、平和の礎として。

 拉致された方々の家族に慰めがありますように。
 生きている人々が早く帰国し、平和に人生を送る事ができますように。
 この痛みを全国民が共有出来ますように。
 日本が真実に平和を証明する国でありますように。

世界に平和を,日本に安全と安らぎと希望を !!!!!!!


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