2月7日 礼拝メッセージ

「生活に結ぶ神の祝福」 ヨハネによる福音書15章5−8節

教会では年度初めに総会が開かれ、その年の活動計画が祈り、語られます。「主の教えを愛し、口ずさむ人、その人のすることは、すべて繁栄をもたらす。」(詩篇1:2,3)が今年のテーマとなっています。「繁栄」は生活の豊かさを意味します。その最も大きな力は国民の知的技術力にあると言われています。

確かに、日本は資源のない小さな国でありながら世界で経済的に豊かな国になっていると言われます。文化水準のバロメーターとも言われる国民の平均年齢、世界最高齢であるのです。それは、高度な医学技術、医療制度、福祉基盤の充実が挙げられています。

それを支えている国民の教育水準の高さがあります。しかし、毎日の報道は社会の腐敗、希望を失った自殺者の増加、未来の見えない年金の不始末、気がつけば膨大な国家ぐるみの借金、腐敗官僚と利権政治家の国税の無駄遣い。無責任で脳天気な安全保障と誇りのない軟弱な外交。多くの庶民には貧困感がつきまとい、憲法の保障する最低の文化生活より年金生活が低い、政治の矛盾があります。現実の「繁栄」の光が光れば光るほど、現実は「困惑」と「不安」の陰が色濃くなっているようです。

今日は「主の祈り」の「御国が来ますように。御心が行われますように、天におけるように地の上にも。」(マタイ6:10)を通して「繁栄」を求めてみましょう。現実の繁栄も、様々な生活の問題をみるときに真実の「繁栄」とは何かを考え込んでしまいます。「御国が来ますように」という願いは「神の国が実現しますように」と言いかえられます。また「御心がなるように」は神様の満足、喜びとしてあることを願う祈りです。そこには融和があり、平和で、共に分かち合い、人として尊ばれる神の愛で治められる国の実現を言っています。ここでは見える物質の繁栄の前に、人の心に神の国の実現こそが大切であることを求めているのです。どのように物質的な繁栄があっても貧富の差があり、人を大切にする愛の欠如は自己欲の衝突、混乱と争い、犯罪と抑圧が人を苦しめ、社会を不安にすることになります。

第一に、「御心が行われるように」との祈りは、「神を信じることは“御心に生きる”ことを意味する」ことを忘れてはなりません。神様を信じるクリスチャンは「神の御心に生きる」人であるのです。キリストによって現わされた神の御心の「思い」が信じる人を通して実現することであり、神の祝福が生活に実を結ぶことを言っているのです。

第二に、「御心が行なわれる」ということは、神様を信じる者は神の御心を実現することを意味します。現実の生活は神様の御心を拒み、悲しませ、傷つけ、汚し、罪におおわれています。聖書は「だから、神に服従し、悪魔に反抗しなさい。そうすれば、悪魔はあなたがたから逃げて行きます。」(ヤコブ4:7)“悪魔に反抗しなさい”は口語訳では“悪魔に立ち向かいなさい”となっています。たんに抵抗するのでなく立ち向かい、積極的に悪魔の意図そのものに挑む姿勢をもつことが大切であろうと言えます。人の行動は心の動機によって決まるものです。祈りは心で主の御心を聴き、受け入れ実践します。

その時点で「主の御心」に素直に従い、心を明け渡して聖霊を受け入れるとき神の命、聖霊にの力、神の思いが推し進められることになります。「主の御心が行なわれるように」と言う祈りは「戦いの祈り」であるのです。自己をどれだけ主にゆだねるかの戦いであることに気がつかねばなりません。実は、自分が戦うのでなく「主が戦って下さる戦い」であるのです。

「主は救いを賜るのに剣や槍を必要とはされないことを、ここに集まったすべての者は知るだろう。この戦いは主のものだ。」(サムエル上17:47、歴下20:15)「主の御心」がなることはヨハネの福音書に「わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である。人がわたしにつながっており、わたしもその人につながっていれば、その人は豊かに実を結ぶ。わたしを離れては、あなたがたは何もできない。」(ヨハネ15:5)と言われています。キリストに留まり、繋がり、従い、待ち望むことを意味しています。そこに祝福の実が約束されるのです。

第三に、「主の御心」は真実の「繁栄」の基礎を意味します。どのような人にも希望と意欲を生み出す道です。「見せかけの繁栄」でなくすべての人が人として生きる真実の共生と和合と融和、そこに希望が開けます。「神の御心」とは神の思い、神の愛が人を生かす平安と希望の道、永遠の命への道です。キリストは言われた「わたしは道であり、真理であり、命である。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行くことができない。」(ヨハネ14:6)

 

今週のみ言葉 ヨハネ15章7節




 ページのトップへ    2010年の礼拝メッセージ  他の年の礼拝メッセージへ      トップページへ